孤独のクラシック ~私のおすすめ~

クラシックおすすめ曲のご紹介と、歴史探訪のブログです。クラシックに興味はあるけど、どの曲を聴いたらいいのか分からない、という方のお役に立ちたいです。(下のメニューは横にスライドしてください)

グレン・グールド

ケッヘル番号の秘密。アマデウスの光と影(11)モーツァルト『ピアノ・ソナタ 第16番(旧第15番) ハ長調 K.545〝ソナチネ〟』

ルートヴィヒ・フォン・ケッヘル(1800-1877) ややこしい通し番号・・・ 前回の第14番 ハ短調 K.457が、モーツァルトのピアノ・ソナタの最高峰であり、内容の濃さ、深さ、ここに極まれり、といった感じですが、それと対照的なソナタが、4年後に創られます…

ピアノによる哀しくも美しいドラマ。アマデウスの光と影(10)モーツァルト『ファンタジー ハ短調 & ピアノ・ソナタ 第14番 ハ短調』、ベートーヴェン『ピアノ・ソナタ 第5番』

ウィーン・ブルク庭園のモーツァルト像 モーツァルトの記念碑的ピアノ・ソナタ モーツァルトには珍しい、短調の暗い曲と、バランスをとるかのような明るい曲を聴いていますが、ピアノ・ソナタの短調曲は、シンフォニーと同様、2曲だけです。 1曲は先に取り…

下ネタ好きの天才。アマデウスの光と影(9)モーツァルト『ピアノ・ソナタ 第9番 ニ長調 K.311』

ベーズレ(マリア・アンナ・テークラ・モーツァルト)(1758-1841) モーツァルトのスカトロジー マンハイム・パリ旅行の途中で作られた3曲のピアノ・ソナタの最後の曲は、第9番 ニ長調 K.311と3曲セットで出版されています。 とても楽しく、充実した素敵…

ピアノ職人シュタインとの出会いと、母との別れ。アマデウスの光と影(7)モーツァルト『ピアノ・ソナタ 第8番 イ短調 K.310』

短調のピアノ・ソナタ しばらく、業務多忙なのと、Web上のApple Musicのプレイヤーが、これまで使っていた日本版が新しく生成できなくなったのとでお休みしておりましたが、そろそろ再開しようと思います。プレイヤーはとりあえず米国版を使いますが、会員で…

降り注ぐ、恵みの春雨のような音楽。バッハ『ヴァイオリンとオブリガート・チェンバロのためのソナタ 第3番・第6番』

大胆な実験と、洗練された知性の曲 バッハのオブリガート・クラヴィーアつきのヴァイオリン・ソナタを聴いていますが、最後の2曲になります。 こちらは、前回とは一転して明るく、爽やかな曲で、洗練された知性が高く香っています。 バッハは保守的なイメー…

悲しいとき、つらいときに聴く音楽。バッハ『ヴァイオリンとオブリガート・チェンバロのためのソナタ 第4番・第5番』

レンブラント『聖ペトロの否認』 愛妻への挽歌 前回に続き、バッハの6曲あるオブリガート・クラヴィーア(チェンバロ)つきのヴァイオリン・ソナタのうち、今回は第4番と第5番を聴きます。 前回少し触れましたが、バッハがこの曲を書いた頃、大きな不幸に…

うっとりするような、ふたりの協演。バッハ『ヴァイオリンとオブリガート・チェンバロのためのソナタ 第1番・第2番』

オブリガート・クラヴィーアつきのヴァイオリン・ソナタ 前回、バッハのオブリガート・クラヴィーア(チェンバロ)つきのフルート・ソナタをご紹介しましたが、同じコンセプトの曲が、ヴァイオリンとヴィオラ・ダ・ガンバにあります。 バッハは、当時一般的…

箱根駅伝、悔し涙へのエール。司馬遷『史記・伯夷伝』とワーグナー『ニュルンベルクのマイスタージンガー』

司馬遷(BC145?-BC87?) 箱根の悲喜こもごも 新春恒例の箱根駅伝が閉幕しました。 今年も大学生たちの、全力を振り絞ったドラマを見ることができ、万感胸に迫る思いです。 普通に歩くだけでも大変な距離を、大きなプレッシャーを背負って疾走するのですから…

〝おもしろかったから弾いた〟グレン・グールド×ヘンデル『ハープシコード組曲第1集 第3番、第4番』

グレン・グールドの弾く、チェンバロ×ヘンデルという超珍しい組み合わせの演奏の続きです。ヘンデルの短調も格調高く、バロックの中でも人気があります。 ヘンデル『ハープシコード組曲第1集 第3番 ニ短調 HWV428』 Handel : Suite for Harpsichord Vol.1 …

癒しの音色。グレン・グールド×ヘンデル『ハープシコード組曲第1集 第1番、第2番』

お陰様で、このブログもこれで100回目となります。 お読みいただいている方、本当にありがとうございます。 グールド、チェンバロを弾く! さて、これまでグレン・グールドの弾くバッハを聴いてきましたが、彼はピアノにチェンバロの持つ〝触感の即時性〟を…

バッハ流ピアノ教育とは。グレン・グールド×バッハ『小プレリュードと小フーガ集』

偉大な教育者、バッハ これまで、グレン・グールドによる、バッハの主要なクラヴィーア曲を聴いてきました。 『ゴールトベルク変奏曲』『平均律クラヴィーア曲集』『インヴェンションとシンフォニア』『イタリア協奏曲』『フランス風序曲』『パルティータ』…

神の曲、悪魔の曲。グレン・グールド×バッハ『イギリス組曲 第4番~第6番』

グレン・グールド弾くバッハの『イギリス組曲』。今回は、全6曲のうち、後半3曲のご紹介です。 バッハ『イギリス組曲 第4番 へ長調 BWV809』 Bach : English Suite no.4 in F major, BWV809 演奏:グレン・グールド(ピアノ) Glenn Gould 第1曲 プレ…

子宮的な安心感の中で。グレン・グールド×バッハ『イギリス組曲 第1番~第3番』

誰が名付けた? イギリス組曲 グレン・グールドによるバッハの3大組曲、最後は『イギリス組曲』です。 この組曲は、これまでの〝深淵〟な『パルティータ』や〝優雅〟な『フランス組曲』に比べて、〝堂々〟〝貫禄〟などと形容されます。 それは特に、各組曲…

華麗なるフレンチ・スタイル。グレン・グールド×バッハ『フランス組曲 第5番・第6番』『フランス風序曲 ロ短調』

このグレン・グールドのアルバムには、前回の『フランス組曲』から残りの、第5番と第6番、そして、『フランス風序曲』という、バッハのフランス趣味、フランス様式による曲が収められています。 まずは、『フランス組曲』の中でも最も有名で、人気のある第…

愛妻アンナのために。グレン・グールド×バッハ『フランス組曲 第1番~第4番』

バッハ家のプライベートな曲 グレン・グールドで聴く、バッハの3大組曲、『パルティータ』『フランス組曲』『イギリス組曲』。 次は、『フランス組曲』です。 3大組曲のできた順番は、最初が『イギリス組曲』で、次に『フランス組曲』、最後が『パルティー…

冬こそバッハ。グレン・グールド×バッハ『パルティータ 第5番・第6番』

めっきり寒くなってきましたが、バッハには冬が似合うように思います。 やはり、厳寒の北ドイツで生まれた音楽だからでしょうか。 時には厚いコートを着て大聖堂の中で捧げる祈りのように厳粛であり、時にはクリスマスマーケットで飲むグリュー・ワインのよ…

イタリア風×フランス風=ドイツ風?グレン・グールド×バッハ『パルティータ 第3番・第4番』

前回に引き続き、グレン・グールド弾くバッハのパルティータ、今回は第3番と第4番のご紹介です。 アルバムでは4番が先になっていますが、曲番通りご紹介します。 Digital Booklet: Bach: Partitas Nos. 3 & 4, BWV 827 & 828; Toccata in E Minor, BWV 91…

風はアルプスの南から。グレン・グールド×バッハ『イタリア協奏曲』『パルティータ 第1番・第2番』

バッハで旅する、ヨーロッパの国々 これまで、バッハに対するグレン・グールドのこだわりをご紹介してきましたので、引き続き、彼の演奏によるバッハの主要な作品を、アルバムを中心に取り上げていきたいと思います。 『ゴールトベルク変奏曲』『平均律クラ…

究極のピアノ練習曲。グレン・グールド×バッハ『インヴェンションとシンフォニア』

あっという間の挫折、私のピアノレッスン バッハの『2声のインヴェンションと3声のシンフォニア』は、難しいバッハの曲の中でも比較的初心者向けということで、ピアノを習っている人が必ず挑戦する曲です。 私は小学生のとき、自分は手先が不器用なのは知…

彩りと、癒しと、憩いの音楽。グレン・グールド×バッハ『平均律クラヴィーア曲集 第2巻』(3)

バッハの『平均律クラヴィーア曲集 第2巻』のご紹介、最終回です。 全24曲中、今回は第17番から、最後の第24番までです。 バッハ『平均律クラヴィーア曲集 第2巻 第17番~第24番』 The Well-Tempered Clavier, Book 2 no.17-24 BWV886-893 演奏…

凝縮されたドラマ。グレン・グールド×バッハ『平均律クラヴィーア曲集 第2巻』(2)

前回に続き、バッハの『平均律クラヴィーア曲集 第2巻』のご紹介です。 全24曲中、今回は第9番から第16番までです。 バッハ『平均律クラヴィーア曲集 第2巻 第9番~第16番』 The Well-Tempered Clavier, Book 1 no.9-16 BWV878-885 演奏:グレン・…

地球外生命体に届け!グレン・グールド×バッハ『平均律クラヴィーア曲集 第2巻』(1)

平均律クラヴィーア曲集 第2巻 今回から、バッハの平均律クラヴィーア曲集 第2巻にはいります。 成立したのはゴールトベルク変奏曲のあと、1744年ですから、最晩年の作品のひとつですが、各曲自体は以前の旧作を集めたようで、一定の統一感がみられた第1巻に…

時間と音階の不思議な一致。グレン・グールド×バッハ『平均律クラヴィーア曲集 第1巻』(3)

前回に続き、バッハの『平均律クラヴィーア曲集 第1巻』のご紹介です。 全24曲中、今回は第17番から、最後の第24番までです。 バッハ『平均律クラヴィーア曲集 第1巻 第17番~第24番』 The Well-Tempered Clavier, Book 1 no.17-24 BWV862-869 演…

どこまでも優しく。グレン・グールド×バッハ『平均律クラヴィーア曲集 第1巻』(2)

前回に続き、バッハの『平均律クラヴィーア曲集 第1巻』のご紹介です。 全24曲中、今回は第9番から第16番までです。 バッハ『平均律クラヴィーア曲巻 第1集 第9番~第16番』 The Well-Tempered Clavier, Book 1 no.9-16 BWV854-861 演奏:グレン・…

バッハが示した宇宙の秩序。グレン・グールド×バッハ『平均律クラヴィーア曲集 第1巻』(1)

平均律とは何か? バッハ×グレン・グールドの最強タッグ、次はバッハの平均律クラヴィーア曲集です。 第1巻と第2巻のふたつがあり、いずれも鍵盤楽器音楽の最高峰といえます。 19世紀の偉大な指揮者、ハンス・フォン・ビューローが、ベートーヴェンのピアノ…

眠れぬ夜が生んだ曲。バッハ『ゴールトベルク変奏曲 BWV988』(続)

『ゴールトベルク変奏曲』初版の表紙 今週のお題「芸術の秋」 グレン・グールドの旧録 前回に引き続き、今回はゴールトベルク変奏曲の中身をご紹介したいと思います。 冒頭、今度はグレン・グールドの金字塔、衝撃のデビュー作の旧録を掲げておきます。 1955…

日常的に聴けるクラシック。グレン・グールドのバッハ『ゴールドベルク変奏曲』

グレン・グールド(1932-1982) 日常とクラシック クラシックは、日常的にはBGMとして触れることは多いですが、音楽として向き合うとなると、とたんに〝芸術〟になってしまって敷居が高くなり、嗜む人もグッと減ってしまいます。 電車の中ではかなりの人…

フルート奏でる大王のそばで。カール・フィリップ・エマヌエル・バッハ~バッハの息子たち(2)

カール・フィリップ・エマヌエル・バッハ バッハの息子、二人目は、同じく前妻マリア・バルバラから生まれたカール・フィリップ・エマヌエル・バッハです。C.P.E.バッハと略します。 息子の中でもっとも成功し、死後の評価も高い人物です。 生前の幸運は、大…