孤独のクラシック ~私のおすすめ~

クラシックおすすめ曲のご紹介と、歴史探訪のブログです。クラシックに興味はあるけど、どの曲を聴いたらいいのか分からない、という方のお役に立ちたいです。(下のメニューは横にスライドしてください)

バロック

17~18世紀のバロック音楽です。ドイツ、イタリア、フランスに分けたカテゴリーもあります。

冬来たりなば春遠からじ。あったかい家の中で過ごす、冬の幸せ。ヴィヴァルディ:協奏曲集『四季』より第4番 へ短調『冬』

ヴィヴァルディの頃の冬は寒かった 今回は、ヴィヴァルディの協奏曲集『和声と創意への試み 作品8』の中の『四季』から、最後の第4番『冬』を聴きます。 関東は桜が満開ですが、きょうはいきなり雪が降り、季節が一気に冬に逆戻りしました。 ここに月が出た…

ワインに酔っ払い、ジビエに舌鼓。豊穣なヨーロッパの秋。ヴィヴァルディ:協奏曲集『四季』より第3番 ヘ長調『秋』

イタリア・トスカーナの世界遺産『オルチャ渓谷(ヴァル・ドルチャ)』の秋 うれしい収穫の秋! ヴィヴァルディの協奏曲集『和声と創意への試み 作品8』の中の『四季』から、今回は第3番『秋』を聴きます。 秋をテーマにしたクラシック音楽では、ハイドンの…

熱中症、ハエや蚊、そして雷と暴風雨…。音楽で描かれた夏の災い。ヴィヴァルディ:協奏曲集『四季』より第2番 ト短調『夏』

ヴィヴァルディが描いた、つらい季節 ヴィヴァルディの協奏曲集『和声と創意への試み 作品8』の中の『四季』から、今回は第2番『夏』を聴きます。 夏といえば、輝く太陽のもと、海、山でのレジャー、バカンスと、我々はいいイメージを持っていますが、この曲…

作曲当時から大人気だった、クラシックの代表作。ヴィヴァルディ:協奏曲集『四季』より第1番 ホ長調『春』

ボッティチェリ『プリマヴェーラ(春)』 クラシック音楽の代表選手 ヴィヴァルディの協奏曲集『和声と創意への試み 作品8』を聴いてきました。順番は逆になりましたが、今回から冒頭の4曲を取り上げます。 この4曲は独立して協奏曲集『四季』として親しまれ…

心優しき名ヴァイオリニストありき。ヴィヴァルディ:協奏曲集『和声と創意への試み 作品8』より第7番『ピゼンデル氏のために』, 第8番&第9番

ヴィヴァルディの弟子ヨハン・ゲオルク・ピゼンデル(1687-1755) ピゼンデル氏って誰? 今回は、ヴィヴァルディの協奏曲集『和声と創意への試み 作品8』のうち、『四季』を除いた短調の3曲を聴きます。 第7番ニ短調には『ピゼンデル氏のために』というタイ…

嵐のようなヴァイオリン。ヴィヴァルディ:協奏曲集『和声と創意への試み 作品8』より第5番『海の嵐』,第6番『喜び』,第10番『狩』, 第11番&第12番

ヴィヴァルディ『和声と創意への試み 作品8』初版の表紙 続々と出版されるヴィヴァルディの曲集! 1711年、アムステルダムのE.ロジェ社の上質な印刷とプロモーションにより、『調和の霊感 作品3』でヨーロッパ出版界を席巻したヴィヴァルディは、同社から次…

ルネサンスを花開かせたメディチ家の末路。ヴィヴァルディ:協奏曲集『調和の霊感 作品3』第10番~第12番

『調和の霊感 作品3』初版の表紙 「献呈出版」とは 『調和の霊感 作品3』の最終回です。 前回取り上げたように、この12曲のコンチェルト集は、1711年にアムステルダムのE.ロジェ社から出版されました。 当時は出版にあたって、その曲を特定の王侯貴族に捧げ…

【楽譜出版の歴史】音符がオタマジャクシになったわけ。ヴィヴァルディ:協奏曲集『調和の霊感 作品3』第7番~第9番

はじめは原始的な木版刷りから ヴィヴァルディのコンチェルト集『調和の霊感』は、アムステルダムの出版社エティエンヌ・ロジェ社発行の印刷楽譜によって、全ヨーロッパに普及しました。 当時はレコードなどありませんから、音楽の伝播は楽譜に頼るしかあり…

どれが実像に近い?3つのヴィヴァルディの肖像画。ヴィヴァルディ:協奏曲集『調和の霊感 作品3』第4番~第6番

ヴィヴァルディの真の姿は? ヴィヴァルディについては、主に3つの肖像画が伝わっています。 他にも何点かありますが、基本は3点を模写したものです。 一番有名なのはこちらで、CDのジャケットや教科書にも載っていますが、これは実は、ヴィヴァルディのも…

大人気だった〝ヴァイオリンを弾く赤毛の神父〟。ヴィヴァルディ:協奏曲集『調和の霊感 作品3』第1番~第3番

ガブリエーレ・ベッラ『北方の君主たちを迎えて音楽愛好協会で行われたヴェネツィアの娘たちの演奏会』 ミサをサボった神父さま 前回はヴィヴァルディの宗教音楽を聴きましたが、彼の作品で一番人気なのは言うまでもなくコンチェルトです。 バロック時代のコ…

全欧が感動した、ヴェネツィアの孤児たちが奏でる演奏とは。ヴィヴァルディ:グロリア ニ長調 RV589

空から見たヴェネツィア 本場の風格、イタリア音楽 前回までバッハを聴き、バッハには中世以来のヨーロッパのあらゆる音楽が流れ込んでいる、という話になりましたが、その大海に注ぐ2つの大河は、イタリア音楽とフランス音楽です。 フランス音楽については…

バッハが示したSDGsとは。バッハ:ロ短調ミサ 第3部『サンクトゥス』第4部『オサンナ』『ベネディクトゥス』『アニュス・デイ』『ドナ・ノビス・パチェム』

バッハの自筆譜に書かれた「S.D.G.」 偉大なるミサの最終章 おかげさまで300記事目になりました。更新は遅々としておりますが、お読みいただいている方々に深く感謝申し上げます。 今回はバッハのロ短調ミサの最終回です。 異例の4部構成になっているこのミ…

バッハの偉大なる〝終活〟。バッハ:ロ短調ミサ 第2部『ニケーア信条(クレド)』

コンスタンティヌス大帝とニケーア信条 最晩年に取り組んだ企画 バッハ不滅の音楽『ロ短調ミサ』、今回は第2部の『ニケーア信条 Symbolum Nicenum』です。 通常のミサでは第3章『クレド』(信仰宣言)に当たります。 前回まで聴いた第1部の『キリエ』『グロ…

地には平和あれ!穏やかで幸せな年になりますように。バッハ:ロ短調ミサ 第1部後半『グロリア』

フラ・アンジェリコ『栄光のキリストと天使たち』 新年にふさわしい、栄光の賛歌 あけましておめでとうございます。 本年も当ブログをよろしくお願いいたします。 相変わらずつたなく不完全な解説ではありますが、少しでもクラシックを楽しんでいただくご参…

俗世の世渡りのために作られた、史上最も偉大な聖楽。バッハ:ロ短調ミサ 第1部前半『キリエ』

学生に音楽を教えるトーマス・カントル 出世欲から生まれた聖なる傑作 バッハの「世俗カンタータ」を聴いてきましたが、そこからは〝厳粛な宗教音楽家〟バッハのイメージとは違った、親しみやすい姿が見えました。 しかし、〝神聖な〟バッハの宗教曲の最高峰…

つらい仕事のあとは居酒屋で憂さ晴らし。バッハ:農民カンタータ(狂言風カンタータ)『わしらの新しいご領主に』BWV212(後半)

ルーベンス『村人の踊り』 今も昔も、労働者の楽しみは同じ? バッハの「農民カンタータ」の後半です。 ライプツィヒ近郊のクライン・チョッハー村の新しい荘園領主に、ザクセン選帝侯に仕える侍従、カール・ハインリヒ・フォン・ディースカウが就任したのを…

コントにバッハが音楽をつけた!バッハ:農民カンタータ(狂言風カンタータ)『わしらの新しいご領主に』BWV212(前半)

ピーテル・ブリューゲル『農民の踊り』 バッハが村祭の出し物につけた音楽 バッハの「世俗カンタータ」、今回は「農民」を主人公にした実に楽しい作品です。 〝狂言風カンタータ〟と題されているように、愉快な小芝居に曲をつけた、真面目なバッハのイメージ…

月と狩りの女神に祝福された誕生日。バッハ:狩りのカンタータ『楽しき狩りこそ、わが悦び』BWV208

ペンニ『女狩人アルテミス』(1550年) 狩り好き領主へのプレゼント バッハの「世俗カンタータ」を聴いていますが、今回は「狩り」をテーマにしたカンタータです。 古今東西、狩猟は上流階級の最高のアウトドアレジャーです。 日本の武士たちも、武芸の鍛錬…

バッハが結婚披露宴でスピーチしたら。バッハ:結婚カンタータ『消えよ、悲しみの影』BWV202

フランソワ・ジェラール『アモールとプシュケ』1798年 結婚という春の訪れ バッハが公務のかたわら、いわば小遣い稼ぎで、貴族や裕福な市民の冠婚葬祭のために作った「世俗カンタータ」を聴いていますが、今回は「婚」です。 『消えよ、悲しみの影』という言…

〝音楽葬〟におすすめのクラシック10選 ~自分のお葬式の選曲をしてみました~

広がりつつある音楽葬 前回は、バッハが作ったお葬式用のカンタータを取り上げました。この世に別れを告げるにあたり、バッハの音楽で送られた人はどんなにか幸せだったことでしょう。 近年、日本のお弔いも変わってきています。 お墓も、散骨や樹木葬など、…

バッハの遺骨の発掘 ~バッハが音楽に込めた死の意味~ バッハ:哀悼行事『神の時こそいと良き時』BWV106

バッハの墓(ライプツイヒ・聖ヨハネ教会内) ケチケチバッハ!? 前回は、バッハが亡きお妃の追悼式のために作曲した感動的なカンタータを取り上げました。 それは特別な作品でしたが、ライプツィヒの聖トーマス教会のカントル(音楽監督)だったバッハには…

信念を貫き、人々に慕われた悲劇のお妃さまを悼んで。バッハ:追悼頌歌『侯妃よ、さらに一条の光を』BWV198

ザクセン選帝侯妃・ポーランド王妃クリスティアーネ・エーベルハルディーネ・フォン・ブランデンブルク=バイロイト(1671-1727) 玉座を捨て、信仰を貫いた侯妃 前回、前々回と、バッハが音楽監督をしていたライプツィヒが属するザクセンの選帝侯フリードリ…

音楽に殉じた伝説のトランペッターの受難。バッハ:世俗カンタータ 『おのが幸いを讃えよ、祝福されしザクセン』BWV215

コーヒーカップを持つザクセン選帝侯兼ポーランド国王アウグスト3世(選帝侯としてはフリードリヒ・アウグスト2世)(1696-1763) 急な来客!それも王様!! 『コーヒー・カンタータ』以降、バッハの世俗カンタータを聴いています。 今回の曲は、前回取り上…

荒ぶる川たちよ、どうか穏やかであれ!バッハ:世俗カンタータ(音楽による劇)『しのび流れよ、戯れる波』BWV206

エルベ川とドレスデン 神ではなく、君主を讃える音楽 前回、バッハの『コーヒー・カンタータ』を聴きましたが、バッハはほかにも20曲ほどの世俗カンタータを作曲しています。 それらは、『コーヒー・カンタータ』のような余興や、冠婚葬祭など、様々な日常的…

バッハが作ったコーヒーのCMソング!バッハ「コーヒー・カンタータ」BWV211『おしゃべりはやめて、お静かに』

バッハが演奏したコーヒーハウス 前回は、コーヒーの起源と、ヨーロッパに入ってきたプロセスに触れ、「コーヒーハウス」が、英国では近代市民社会への扉を開き、フランスでは革命の口火を切ったさまをみました。 今回はドイツです。 北ドイツへのコーヒー輸…

【コーヒーの歴史と音楽】みんな陽気に飲んで踊ろう、コーヒー・ルンバ!昔アラブの偉いお坊さんが何をした?

ロンドンのコーヒーハウス 「コーヒーハウス」は時代を変えた! 前回まで、バッハのフランス風序曲や、チェンバロ協奏曲の数々を聴いてきました。 これらの曲は、ライプツィヒの、ツィンマーマンが経営する「コーヒーハウス」をコンサート会場として、大学生…

6本の手、30本の指が織りなす、美しい音のタペストリー!バッハ『3台のチェンバロのための協奏曲 ニ短調 BWV1063 & ハ長調 BWV1064』

2人の息子と3人で演奏 前回まで、バッハの2台のチェンバロのためのコンチェルトを聴きましたが、今回はさらに1台増えて、3台のためのものです。 今残されているのは『ニ短調 BWV1063』と『ハ長調 BWV1064』の2曲です。 こちらも、2台のための作品と同様、…

往時のバッハ親子共演もかくや!鈴木雅明・優人父子のチェンバロ協奏曲(バッハ・コレギウム・ジャパン)。バッハ『2台のチェンバロのための協奏曲 ハ長調 BWV1061』

自慢の息子たちとの共演 ライプツィヒの大学生による音楽団体、コレギウム・ムジークムでの演奏のために、バッハが旧作や他者の作品を編曲した一連のチェンバロ・コンチェルトを聴いていますが、今回は『2台のチェンバロのための協奏曲 ハ長調 BWV1061』で…

コーヒーハウスでの偉大なる実験。バッハ『2台のチェンバロのための協奏曲 ハ短調 BWV1060』

新しい響きを求めて 前回までバッハの管弦楽組曲(組曲)を聴いてきましたが、それはいずれもライプツィヒの大学生による音楽団体、コレギウム・ムジークムでの演奏のために作曲されたものでした。 新しく書き下ろされたという説もありますが、音楽好きの主…

文豪ゲーテがみた、古き良き時代の輝き。バッハ『管弦楽組曲(序曲) 第4番 ニ長調 BWV1069』~ドイツ人の作ったフランス風序曲⑪

ゲーテ(1749-1832) ゲーテの脳裏に浮かんだもの バッハの管弦楽組曲(組曲)、今回は最後の曲、第4番二長調です。 冒頭の序曲は、19世紀のバッハ復活に尽くしていたメンデルスゾーンが、老文豪ゲーテにピアノで聴かせたところ、『この威風堂々たる華やかな…