孤独のクラシック ~私のおすすめ~

クラシックおすすめ曲のご紹介と、歴史探訪のブログです。クラシックに興味はあるけど、どの曲を聴いたらいいのか分からない、という方のお役に立ちたいです。(下のメニューは横にスライドしてください)

ピアノ・鍵盤楽器

ピアノ、フォルテピアノ、チェンバロ(ハープシコード)、クラヴィーア、クラヴィコードなど、鍵盤楽器の作品です。

題名の意味はあなた自身が自由にお考えください。ラモー『新クラヴサン組曲集 第2番(第5組曲)』〝めんどり〟〝未開人〟~ベルばら音楽(21)

ジャン=フィリップ・ラモー リアルであって、リアルでない曲たち ラモーの『新クラヴサン組曲集』クラヴサン組曲の最後、今回は第2番(第5組曲)を聴きます。 第1組曲より、さらに標題のついた曲が増え、舞曲はついにメヌエット1曲だけになってしまいました…

フランス音楽の最も美しい1ページ。ラモー『新クラヴサン組曲集 第1番(第4組曲)』〝サラバンド〟〝ガヴォットと変奏〟~ベルばら音楽(20)

ジャン=シメオン・シャルダン『音楽のアトリビュート』 新しく斬新な試み ジャン=フィリップ・ラモー(1683-1764)のクラヴサン曲のシリーズ、今回は第4組曲です。 パリ生活が軌道に乗りつつあった1728年に出版された『新クラヴサン組曲集』のふたつの組…

鍵盤の上に描かれたひとつ目巨人とは。ラモー『クラヴサン曲集第2巻』〝タンブラン〟〝ソローニュの愚か者〟〝キュクロプス〟~ベルばら音楽(19)

オディロン・ルドン『キュクロプス』(1914年) あふれるエスプリ さらに、ジャン=フィリップ・ラモー(1683-1764)のクラヴサン曲を聴いていきます。 今回は、パリに出てきて翌年、1724年に満を持して出版したクラヴサン曲集第2巻から、名曲を抜粋します。…

フランスバロック最大にして最高の作曲家、ラモーとは。ラモー『クラヴサン曲集第1巻』〝プレリュード〟~ベルばら音楽(18)

ルイ15世 最愛王、ルイ15世の時代はじまる 時計の針を進めまして、ルイ15世(在位1715-1774)の時代に入ります。 その治世は、ルイ14世の74年には及びませんが、58年の長きにわたりました。 ルイ15世は、偉大な曽祖父のような力量は無く、政治は放縦、文化・…

仮面に隠された貴婦人の心のうち。クープラン『クラヴサン曲集』〝フランスのフォリア、あるいはドミノ〟~ベルばら音楽(14)

ヴァトー『ピエロ(ジル)』 新年はフランス風序曲から あけましておめでとうございます。今年も当ブログをよろしくお願いいたします! さて、昨年からヴェルサイユを中心としたフランスの古典音楽を聴いていますが、大クープランのクラヴサン(チェンバロ)…

恋愛成就!恋人岬の鐘の音。クープラン『クラヴサン曲集』〝シテール島の鐘〟~ベルばら音楽(13)

ヴァトー『愛の賛歌』 芸術の表すものとは? クリスマスも終わり、ふたたびフランソワ・クープラン(1668-1733)の珠玉のクラヴサン(チェンバロ)曲に戻ります。 250曲あまりを全て取り上げるわけにはいかないので、人気曲、あるいは私の気に入った曲を挙げ…

フランス・ブルボン王朝歴代のプロフィールと音楽。クープラン『摂政、あるいはミネルヴァ』~ベルばら音楽(11)

ルーベンス『マリー・ド・メディシスの生涯/摂政マリーの至福』 ブルボン朝の華麗なる王朝絵巻 ヴェルサイユ宮殿を主な舞台としたフランスの古典音楽(バロック音楽)を聴いていますが、ここで、近世のフランスを支配した「ブルボン王朝」の代々の王様のプ…

ハーディ・ガーディ(ヴィエル)の楽しくて、やがて悲しき音色。クープラン『偉大なる古き吟遊詩人組合の年代記』~ベルばら音楽(10)

ラ・トゥール『ヴィエル弾き』 音楽によるあてこすり! フランス古典音楽の華というべき、大クープラン(1668-1733)のクラヴサン(チェンバロ)曲の3回目は『偉大なる古き吟遊詩人組合の年代記』と題された曲です。 クラヴサン曲集第2巻・第11オルドルの…

オリーブオイル?木槌?戦争?音楽の謎解き。クープラン『クラヴサン曲集第3巻・第18オルドル』〝修道女モニク〟〝ティク=トク=ショク〟~ベルばら音楽(9)

中世のオリーブ搾り オリーブオイルを搾る音? フランソワ・クープラン(1668-1733)の、標題のついた愛らしいクラヴサン(チェンバロ)曲を聴いていますが、2回目は第18オルドル(組曲)です。 このオルドルには、『修道女モニク』と『ティク=トク=ショ…

どこまでも優雅な、音楽で描いたフランス絵画。クープラン『クラヴサン曲集第2巻・第6オルドル』〝神秘的な障壁〟~ベルばら音楽(8)

フランソワ・クープラン(1668-1733) 貴族のサロンに響いたクープランの音楽 フランソワ・クープラン(1668-1733)は王家の子女たちの音楽教育にも携わりましたが、その中心となった楽器はクラヴサンでした。 フランス語の〝クラヴサン〟は、イタリア語でい…

ベートーヴェンのトルコ行進曲。アテネからブダペストへ、古代への熱き思い。ベートーヴェン『アテネの廃墟』作品113

もうひとつのトルコ行進曲 〝トルコ行進曲〟は、前回取り上げた、モーツァルトのほか、ベートーヴェン作曲のものもあります。 モーツァルトに比べると一般的なポピュラー度は少し低いかもしれませんが、ピアノを練習している人にはよく弾かれ、親しまれてい…

クロワッサン、ベーグル、コーヒー、そしてトルコ行進曲。モーツァルト『ピアノ・ソナタ 第11番 イ長調 K.331〝トルコ行進曲つき〟』

オスマン・トルコによる第2次ウィーン包囲(1683年) トルコ趣味の音楽、その背景 モーツァルトの結婚にまつわる曲として、オペラ『後宮からの誘拐』を取り上げましたが、これはトルコのハーレムを舞台にした作品でした。 これは当時のヨーロッパ人のトルコ…

モーツァルトが出演したコンサートを完全再現【後半】ピアノ協奏曲 第5番ほか

現在のブルク劇場。建物は3代目で、1955年に再建されたもの。 アリア、コンチェルト...音楽の饗宴は続く 前回に続き、1783年3月23日にウィーン・ブルク劇場で行われた、 オール・モーツァルト・プログラムのコンサートの後半です。 曲名の前の題は、モーツ…

この支配からの卒業、親の反対押し切った結婚編。モーツァルト『ピアノとヴァイオリンのためのソナタ 作品2〝アウエルンハンマー・ソナタ〟』(2)

コンスタンツェ・ウェーバー(1762-1842) 親の心、子知らず 父レオポルトの反対を押し切り、雇い主であるザルツブルク大司教と大ゲンカをして辞表を叩きつけ、ウィーンでのフリーター生活を始めたモーツァルト。 大司教の侍従である伯爵からお尻を蹴られて…

この支配からの卒業、パワハラ辞職編。モーツァルト『ピアノとヴァイオリンのためのソナタ 作品2〝アウエルンハンマー・ソナタ〟』(1)

父レオポルト・モーツァルト(1719-1787) 父親の支配 就職と結婚。 この人生の2大転機は、自分自身で決断しなければならないことですが、えてして、親からも口を出されがちなことです。 またえてして、こうした転機は重なることもあります。 モーツァルト…

死への想念か、切ない恋の情念か。アマデウスの光と影(12)モーツァルト『ロンド イ短調 K.511』

モーツァルトが考える死とは モーツァルトのピアノ作品をしばらく聴いてきましたが、影ということでは、最後に挙げたい曲があります。 ロンド イ短調 K.511。短い小品ですが、私の愛してやまない曲です。 夏の太陽がまぶしく輝くこれからの季節にはちょっと…

ケッヘル番号の秘密。アマデウスの光と影(11)モーツァルト『ピアノ・ソナタ 第16番(旧第15番) ハ長調 K.545〝ソナチネ〟』

ルートヴィヒ・フォン・ケッヘル(1800-1877) ややこしい通し番号・・・ 前回の第14番 ハ短調 K.457が、モーツァルトのピアノ・ソナタの最高峰であり、内容の濃さ、深さ、ここに極まれり、といった感じですが、それと対照的なソナタが、4年後に創られます…

ピアノによる哀しくも美しいドラマ。アマデウスの光と影(10)モーツァルト『ファンタジー ハ短調 & ピアノ・ソナタ 第14番 ハ短調』、ベートーヴェン『ピアノ・ソナタ 第5番』

ウィーン・ブルク庭園のモーツァルト像 モーツァルトの記念碑的ピアノ・ソナタ モーツァルトには珍しい、短調の暗い曲と、バランスをとるかのような明るい曲を聴いていますが、ピアノ・ソナタの短調曲は、シンフォニーと同様、2曲だけです。 1曲は先に取り…

下ネタ好きの天才。アマデウスの光と影(9)モーツァルト『ピアノ・ソナタ 第9番 ニ長調 K.311』

ベーズレ(マリア・アンナ・テークラ・モーツァルト)(1758-1841) モーツァルトのスカトロジー マンハイム・パリ旅行の途中で作られた3曲のピアノ・ソナタの最後の曲は、第9番 ニ長調 K.311と3曲セットで出版されています。 とても楽しく、充実した素敵…

モーツァルトのピアノレッスンとは。 アマデウスの光と影(8)モーツァルト『ピアノ・ソナタ 第7番 ハ長調 K.309』

要人の令嬢のために 前回の第8番 イ短調ソナタ K.310は、第7番 ハ長調 K.309、第9番 ニ長調 K.311と3曲セットで出版されています。 例によって、明暗の対比が素晴らしいセットです。 いずれも、マンハイム・パリ旅行の途上で作られたので、故郷ザルツブルク…

ピアノ職人シュタインとの出会いと、母との別れ。アマデウスの光と影(7)モーツァルト『ピアノ・ソナタ 第8番 イ短調 K.310』

短調のピアノ・ソナタ しばらく、業務多忙なのと、Web上のApple Musicのプレイヤーが、これまで使っていた日本版が新しく生成できなくなったのとでお休みしておりましたが、そろそろ再開しようと思います。プレイヤーはとりあえず米国版を使いますが、会員で…

〝おもしろかったから弾いた〟グレン・グールド×ヘンデル『ハープシコード組曲第1集 第3番、第4番』

グレン・グールドの弾く、チェンバロ×ヘンデルという超珍しい組み合わせの演奏の続きです。ヘンデルの短調も格調高く、バロックの中でも人気があります。 ヘンデル『ハープシコード組曲第1集 第3番 ニ短調 HWV428』 Handel : Suite for Harpsichord Vol.1 …

癒しの音色。グレン・グールド×ヘンデル『ハープシコード組曲第1集 第1番、第2番』

お陰様で、このブログもこれで100回目となります。 お読みいただいている方、本当にありがとうございます。 グールド、チェンバロを弾く! さて、これまでグレン・グールドの弾くバッハを聴いてきましたが、彼はピアノにチェンバロの持つ〝触感の即時性〟を…

バッハ流ピアノ教育とは。グレン・グールド×バッハ『小プレリュードと小フーガ集』

偉大な教育者、バッハ これまで、グレン・グールドによる、バッハの主要なクラヴィーア曲を聴いてきました。 『ゴールトベルク変奏曲』『平均律クラヴィーア曲集』『インヴェンションとシンフォニア』『イタリア協奏曲』『フランス風序曲』『パルティータ』…

神の曲、悪魔の曲。グレン・グールド×バッハ『イギリス組曲 第4番~第6番』

グレン・グールド弾くバッハの『イギリス組曲』。今回は、全6曲のうち、後半3曲のご紹介です。 バッハ『イギリス組曲 第4番 へ長調 BWV809』 Bach : English Suite no.4 in F major, BWV809 演奏:グレン・グールド(ピアノ) Glenn Gould 第1曲 プレ…

子宮的な安心感の中で。グレン・グールド×バッハ『イギリス組曲 第1番~第3番』

誰が名付けた? イギリス組曲 グレン・グールドによるバッハの3大組曲、最後は『イギリス組曲』です。 この組曲は、これまでの〝深淵〟な『パルティータ』や〝優雅〟な『フランス組曲』に比べて、〝堂々〟〝貫禄〟などと形容されます。 それは特に、各組曲…

華麗なるフレンチ・スタイル。グレン・グールド×バッハ『フランス組曲 第5番・第6番』『フランス風序曲 ロ短調』

このグレン・グールドのアルバムには、前回の『フランス組曲』から残りの、第5番と第6番、そして、『フランス風序曲』という、バッハのフランス趣味、フランス様式による曲が収められています。 まずは、『フランス組曲』の中でも最も有名で、人気のある第…

愛妻アンナのために。グレン・グールド×バッハ『フランス組曲 第1番~第4番』

バッハ家のプライベートな曲 グレン・グールドで聴く、バッハの3大組曲、『パルティータ』『フランス組曲』『イギリス組曲』。 次は、『フランス組曲』です。 3大組曲のできた順番は、最初が『イギリス組曲』で、次に『フランス組曲』、最後が『パルティー…

冬こそバッハ。グレン・グールド×バッハ『パルティータ 第5番・第6番』

めっきり寒くなってきましたが、バッハには冬が似合うように思います。 やはり、厳寒の北ドイツで生まれた音楽だからでしょうか。 時には厚いコートを着て大聖堂の中で捧げる祈りのように厳粛であり、時にはクリスマスマーケットで飲むグリュー・ワインのよ…

イタリア風×フランス風=ドイツ風?グレン・グールド×バッハ『パルティータ 第3番・第4番』

前回に引き続き、グレン・グールド弾くバッハのパルティータ、今回は第3番と第4番のご紹介です。 アルバムでは4番が先になっていますが、曲番通りご紹介します。 Digital Booklet: Bach: Partitas Nos. 3 & 4, BWV 827 & 828; Toccata in E Minor, BWV 91…