孤独のクラシック ~私のおすすめ~

クラシックおすすめ曲のご紹介と、歴史探訪のブログです。クラシックに興味はあるけど、どの曲を聴いたらいいのか分からない、という方のお役に立ちたいです。(下のメニューは横にスライドしてください)

フレンチバロック

ヴェルサイユ楽派を中心とした17~18世紀フランスのバロック時代の作品です。

童謡〝むすんでひらいて〟の原曲とは。『ルソー:村の占い師』~ベルばら音楽(40)

クラシック音楽と歴史の解説。ジャン=ジャック・ルソーのオペラ『村の占い師』『むすんでひらいて』の解説、感想とおすすめ演奏、名盤の紹介。

ラモーおすすめアルバムその4。サビーヌ・ドゥヴィエル『ラモー:壮大なる愛の劇場』リリック・コロラトゥーラ・ソプラノによるラモーのオペラいいとこどり。~ベルばら音楽(39)

サビーヌ・ドゥビエル ラモーの架空にして究極のオペラ ラモーおすすめアルバム、最後の4枚目は、フランスの注目のソプラノ歌手、サビーヌ・ドゥヴィエルが2013年に出したデビューアルバムです。 これまでのアルバムはラモーのオペラから、管弦楽曲を中心に…

ラモーおすすめアルバムその3。クルレンツィス『ラモー:輝きの音(オペラ=バレからの舞曲)』目に見えない、音楽の光とは。~ベルばら音楽(38)

テオドール・クルレンツィス 目の不自由な人に〝光〟を伝える方法とは ラモーおすすめアルバムの3枚目は、テオドール・クルレンツィス指揮、ムジカ・エテルナの『輝きの音(オペラ=バレからの舞曲)』です。 クルレンツィスは1972年、ギリシャ・アテネ生ま…

ラモーおすすめアルバムその2。ミンコフスキ『ラモー:サンフォニー・イマジネール(空想の管弦楽曲)』平成から令和へ、ラモーで送るひとつの時代。~ベルばら音楽(37)

ジャン=フィリップ・ラモー(1683-1764) バロックから古典派へ、時代は移る ラモーおすすめアルバムの2枚目は、ミンコフスキ指揮、レ・ミュジシャン・デュ・ルーブルの『サンフォニー・イマジネール(空想の管弦楽曲)』です。 まもなく平成が終わり、新…

ラモーおすすめアルバムその1。ルセ『ラモー:序曲集』ロマネ・コンティの物語とブルボン王朝の光と影~ベルばら音楽(36)

ロマネ・コンティの畑 『ロマネ・コンティ』とポンパドゥール夫人 18世紀のフランスの政治、文化に絶対的権力を振るったルイ15世の寵姫ポンパドゥール夫人。 極度の好色家だった王の寵愛をつなぎとめるため、肉体的魅力に乏しいといわれていた夫人は、その方…

ポンパドゥール夫人、『オペラ座の演目はラモーだけよ!』とご決定。ラモー:英雄的牧歌劇『ナイス、平和のためのオペラ』~ベルばら音楽(35)

ブーシェ『ポンパドゥール侯爵夫人』 ラモーの音楽にハマったポンパドゥール夫人 次々と名作オペラを作りだすラモーは、その度に賛否両論を巻き起こしながらも、その国民的支持は不動のものとなっていきました。 当時、政治にあまり関心のなかった国王ルイ15…

自分で作った彫刻に恋した男の物語。ラモー:アクト・ド・バレ『ピグマリオン』~ベルばら音楽(34)

ジャン=レオン・ジェローム『ピグマリオンとガラテア』 8日間で作られ、200回以上上演されたオペラ 50歳にしてオペラ・デビューを果たしたラモーは、その後も次々と作品を世に送ります。 当初は、あまりの斬新さゆえ、リュリの完成した伝統的なフランスオペ…

ネイティブ・アメリカンよ、永遠に。ラモー:オペラ=バレ『優雅なインドの国々』⑤ 第4アントレ「未開人たち」~ベルばら音楽(33)

ジョン・スミスを救うポカホンタス(想像画) 新大陸の広大なフランス領、ルイジアナ オムニバス形式の4つの幕(アントレ)から成る、ラモーのオペラ=バレ『優雅なインドの国々 』。 いよいよ最後の幕です。 このオペラは、1735年8月の初演時にはプロロー…

目と耳と、鼻で楽しむオペラ。ラモー:オペラ=バレ『優雅なインドの国々』④ 第3アントレ「花々、ペルシャの祝祭」~ベルばら音楽(32)

〝地上の楽園〟ペルシャの庭園 オムニバス形式の4つの幕(アントレ)から成る、ラモーのオペラ=バレ『優雅なインドの国々 』。 愛を求めて諸国を旅するキューピッドたち。3か国目はペルシャです。 トルコのさらに東にあるペルシャは、ヨーロッパ人のオリ…

征服者との禁断の恋のゆくえ。ピサロとコルテス、そしてマリンチェ。ラモー:オペラ=バレ『優雅なインドの国々』③ 第2アントレ「ペルーのインカ人」~ベルばら音楽(31)

征服者たちに蹂躙されたインカ帝国 オムニバス形式の4つの幕(アントレ)から成る、ラモーのオペラ=バレ『優雅なインドの国々 』。 トルコをあとにしたキューピッドたちが、次に降り立ったのは、大西洋をわたり、さらに太平洋に面した南米ペルーでした。 …

恋の難破船、心の中に吹きすさぶ嵐。ラモー:オペラ=バレ『優雅なインドの国々』② 第1アントレ「寛大なトルコ人」~ベルばら音楽(30)

キューピッド、トルコに降り立つ オムニバス形式の4つの幕(アントレ)から成る、ラモーのオペラ=バレ『優雅なインドの国々 』。 戦火に包まれたヨーロッパから、愛を求めて世界に飛び出したキューピッドたちが、最初にたどりついたのはトルコでした。 こ…

キューピッドたちよ、愛を求めて異国へ飛んでいけ!ラモー:オペラ=バレ『優雅なインドの国々』①「プロローグ」~ベルばら音楽(29)

ネクタル(神酒)をもつ青春と若さの神ヘベ フランスならではの『オペラ=バレ』 ジャン=フィリップ・ラモー(1682-1764)は、1735年に初のオペラ『イポリートとアリシー』を上演した後、次々とオペラを生み出していきます。 しかし、こだわり抜いた『イポ…

革命的オペラが拓いた新しい時代。ラモー:オペラ『イポリートとアリシー』⑦「第5幕(最終幕)」~ベルばら音楽(28)

パイドラ(フェードル)とテセウス(テゼー) テセウスの悔恨 ジャン=フィリップ・ラモー(1682-1764)のオペラ、『イポリートとアリシー』。 今回は最終幕となる、第5幕です。 舞台は、第4幕と同じ、海辺に面したアルテミス神殿のある森です。 絶望した王…

人間の愚かさか、運命の理不尽さか。古典悲劇の真髄。ラモー:オペラ『イポリートとアリシー』⑥「第4幕」~ベルばら音楽(27)

ヒッポリュトスの死 自らさすらいの旅に出る王子 ジャン=フィリップ・ラモー(1682-1764)のオペラ、『イポリートとアリシー』。 今回は第4幕です。 舞台は、海辺に面したアルテミス神殿のある森。 月と狩の女神アルテミス(ディアーヌ、ダイアナ)の居場所…

恋する相手から、おぞましいと言われたら。ラモー:オペラ『イポリートとアリシー』⑤「第3幕」~ベルばら音楽(26)

パイドラ(フェードル)を拒絶するヒッポリュトス(イポリート) 道ならぬ恋に苦しむ王妃の歌 ジャン=フィリップ・ラモー(1682-1764)のオペラ、『イポリートとアリシー』。 今回は第3幕です。 舞台は、海に面したテセウス(テゼー)の城。 王妃パイドラ(…

歌唱不可能!?恐ろしい運命の女神の三重唱とテセウスの地獄下り。ラモー:オペラ『イポリートとアリシー』④「第2幕」~ベルばら音楽(25)

運命の3女神 テセウスの地獄下り ジャン=フィリップ・ラモー(1682-1764)のオペラ、『イポリートとアリシー』。 今回は第2幕です。 第1幕の最後で、忠臣アルカスが絶望の体で王妃パイドラに『テセウス(テゼー)王が地獄に下りて行ってしまいましたぁ!!…

許された恋と、許されざる恋と。ラモー:オペラ『イポリートとアリシー』③「第1幕」~ベルばら音楽(24)

カバネル『フェードル(パエドラ)』(1880年) 許されざる恋の物語 ジャン=フィリップ・ラモー(1682-1764)のオペラ、『イポリートとアリシー』。 今回は第1幕です。 幕が開くと、そこはアルテミス(ディアーヌ)神殿。 祭壇の前に、ヒロインのアリシーが…

迷宮ラビリンス、怪物ミノタウロス、アリアドネの糸…英雄テセウスとその息子の物語。ラモー:オペラ『イポリートとアリシー』②「プロローグ」~ベルばら音楽(23)

ルーベンス『ヒッポリュトスの死』 人間くさい、ギリシャの神々たち ジャン=フィリップ・ラモー(1682-1764)のオペラ、『イポリートとアリシー』。 今回は序幕の『プロローグ』です。 リュリ以来のフランス・オペラでは、本編の物語の前に、プロローグが置…

オペラで音楽の数学的法則を解き明かす!50歳からの挑戦。ラモー:オペラ『イポリートとアリシー』①「序曲」~ベルばら音楽(22)

ルネ・デカルト(1596-1650) 哲学から始まった科学、そして音楽 フランスを代表するオペラ作曲家、ジャン=フィリップ・ラモー(1682-1764)ですが、最初のオペラを書いたのはなんと50歳のときでした。 それまでの作曲といえば、これまで取り上げたクラヴサ…

題名の意味はあなた自身が自由にお考えください。ラモー『新クラヴサン組曲集 第2番(第5組曲)』〝めんどり〟〝未開人〟~ベルばら音楽(21)

リアルであって、リアルでない曲たち ラモーの『新クラヴサン組曲集』クラヴサン組曲の最後、今回は第2番(第5組曲)を聴きます。 第1組曲より、さらに標題のついた曲が増え、舞曲はついにメヌエット1曲だけになってしまいました。 これらのタイトルについて…

フランス音楽の最も美しい1ページ。ラモー『新クラヴサン組曲集 第1番(第4組曲)』〝サラバンド〟〝ガヴォットと変奏〟~ベルばら音楽(20)

ジャン=シメオン・シャルダン『音楽のアトリビュート』 新しく斬新な試み ジャン=フィリップ・ラモー(1683-1764)のクラヴサン曲のシリーズ、今回は第4組曲です。 パリ生活が軌道に乗りつつあった1728年に出版された『新クラヴサン組曲集』のふたつの組…

鍵盤の上に描かれたひとつ目巨人とは。ラモー『クラヴサン曲集第2巻』〝タンブラン〟〝ソローニュの愚か者〟〝キュクロプス〟~ベルばら音楽(19)

オディロン・ルドン『キュクロプス』(1914年) あふれるエスプリ さらに、ジャン=フィリップ・ラモー(1683-1764)のクラヴサン曲を聴いていきます。 今回は、パリに出てきて翌年、1724年に満を持して出版したクラヴサン曲集第2巻から、名曲を抜粋します。…

フランスバロック最大にして最高の作曲家、ラモーとは。ラモー『クラヴサン曲集第1巻』〝プレリュード〟~ベルばら音楽(18)

ルイ15世 最愛王、ルイ15世の時代はじまる 時計の針を進めまして、ルイ15世(在位1715-1774)の時代に入ります。 その治世は、ルイ14世の74年には及びませんが、58年の長きにわたりました。 ルイ15世は、偉大な曽祖父のような力量は無く、政治は放縦、文化・…

聴衆という暴君誕生。今に続くコンサートの元祖「コンセール・スピリチュエル」とは。ドラランド『レジナ・チェリ』、コレッリ『クリスマス・コンチェルト』~ベルばら音楽(17)

クラシック音楽の鑑賞と歴史紹介。ヴェルサイユ宮殿とフランス・ブルボン王朝ゆかりの音楽を紹介。

音楽用語がイタリア語になったわけ。クープラン『リュリ賛』~ベルばら音楽(16)

エリュシオンの野(ドラクロワ) 音楽用語がイタリア語になったわけ、それは3つのウェーブ 前回、クープランが偉大なるイタリア音楽の巨匠、コレッリを讃えて作曲した『コレッリ賛』を取り上げましたが、そこにはフランス人のイタリア文化に対する、コンプ…

フランス音楽とイタリア音楽、どっちが優れている?果てしない論争のはじまり。クープラン『コレッリ賛』~ベルばら音楽(15)

アポロンとミューズ フランス音楽 vs イタリア音楽 ルイ14世の時代には、音楽界で絶大な権力を握ったリュリが〝フランス音楽〟を確立しました。 それは、フランスこそ偉大にして最高の国!という太陽王の統治理念そのものの音楽であり、その時代には他の国の…

仮面に隠された貴婦人の心のうち。クープラン『クラヴサン曲集』〝フランスのフォリア、あるいはドミノ〟~ベルばら音楽(14)

ヴァトー『ピエロ(ジル)』 新年はフランス風序曲から あけましておめでとうございます。今年も当ブログをよろしくお願いいたします! さて、昨年からヴェルサイユを中心としたフランスの古典音楽を聴いていますが、大クープランのクラヴサン(チェンバロ)…

恋愛成就!恋人岬の鐘の音。クープラン『クラヴサン曲集』〝シテール島の鐘〟~ベルばら音楽(13)

ヴァトー『愛の賛歌』 芸術の表すものとは? クリスマスも終わり、ふたたびフランソワ・クープラン(1668-1733)の珠玉のクラヴサン(チェンバロ)曲に戻ります。 250曲あまりを全て取り上げるわけにはいかないので、人気曲、あるいは私の気に入った曲を挙げ…

クリスマス・イブのための音楽、フランスのノエル。シャルパンティエ『真夜中のミサ』~ベルばら音楽(12)

マルク=アントワーヌ・シャルパンティエ(1643-1704) パリの市井で活躍したシャルパンティエ 今夜はクリスマス・イブです。フランスのバロック音楽を聴いてきましたが、まさにピッタリの曲があります。 それは、『テ・デウム』の話で取り上げた、マルク=…

フランス・ブルボン王朝歴代のプロフィールと音楽。クープラン『摂政、あるいはミネルヴァ』~ベルばら音楽(11)

ルーベンス『マリー・ド・メディシスの生涯/摂政マリーの至福』 ブルボン朝の華麗なる王朝絵巻 ヴェルサイユ宮殿を主な舞台としたフランスの古典音楽(バロック音楽)を聴いていますが、ここで、近世のフランスを支配した「ブルボン王朝」の代々の王様のプ…