孤独のクラシック ~私のおすすめ~

クラシックおすすめ曲のご紹介と、歴史探訪のブログです。クラシックに興味はあるけど、どの曲を聴いたらいいのか分からない、という方のお役に立ちたいです。(下のメニューは横にスライドしてください)

協奏曲

ソロ・コンチェルト、コンチェルト・グロッソ(合奏協奏曲)

冬来たりなば春遠からじ。あったかい家の中で過ごす、冬の幸せ。ヴィヴァルディ:協奏曲集『四季』より第4番 へ短調『冬』

ヴィヴァルディの頃の冬は寒かった 今回は、ヴィヴァルディの協奏曲集『和声と創意への試み 作品8』の中の『四季』から、最後の第4番『冬』を聴きます。 関東は桜が満開ですが、きょうはいきなり雪が降り、季節が一気に冬に逆戻りしました。 ここに月が出た…

ワインに酔っ払い、ジビエに舌鼓。豊穣なヨーロッパの秋。ヴィヴァルディ:協奏曲集『四季』より第3番 ヘ長調『秋』

イタリア・トスカーナの世界遺産『オルチャ渓谷(ヴァル・ドルチャ)』の秋 うれしい収穫の秋! ヴィヴァルディの協奏曲集『和声と創意への試み 作品8』の中の『四季』から、今回は第3番『秋』を聴きます。 秋をテーマにしたクラシック音楽では、ハイドンの…

熱中症、ハエや蚊、そして雷と暴風雨…。音楽で描かれた夏の災い。ヴィヴァルディ:協奏曲集『四季』より第2番 ト短調『夏』

ヴィヴァルディが描いた、つらい季節 ヴィヴァルディの協奏曲集『和声と創意への試み 作品8』の中の『四季』から、今回は第2番『夏』を聴きます。 夏といえば、輝く太陽のもと、海、山でのレジャー、バカンスと、我々はいいイメージを持っていますが、この曲…

作曲当時から大人気だった、クラシックの代表作。ヴィヴァルディ:協奏曲集『四季』より第1番 ホ長調『春』

ボッティチェリ『プリマヴェーラ(春)』 クラシック音楽の代表選手 ヴィヴァルディの協奏曲集『和声と創意への試み 作品8』を聴いてきました。順番は逆になりましたが、今回から冒頭の4曲を取り上げます。 この4曲は独立して協奏曲集『四季』として親しまれ…

心優しき名ヴァイオリニストありき。ヴィヴァルディ:協奏曲集『和声と創意への試み 作品8』より第7番『ピゼンデル氏のために』, 第8番&第9番

ヴィヴァルディの弟子ヨハン・ゲオルク・ピゼンデル(1687-1755) ピゼンデル氏って誰? 今回は、ヴィヴァルディの協奏曲集『和声と創意への試み 作品8』のうち、『四季』を除いた短調の3曲を聴きます。 第7番ニ短調には『ピゼンデル氏のために』というタイ…

嵐のようなヴァイオリン。ヴィヴァルディ:協奏曲集『和声と創意への試み 作品8』より第5番『海の嵐』,第6番『喜び』,第10番『狩』, 第11番&第12番

ヴィヴァルディ『和声と創意への試み 作品8』初版の表紙 続々と出版されるヴィヴァルディの曲集! 1711年、アムステルダムのE.ロジェ社の上質な印刷とプロモーションにより、『調和の霊感 作品3』でヨーロッパ出版界を席巻したヴィヴァルディは、同社から次…

ルネサンスを花開かせたメディチ家の末路。ヴィヴァルディ:協奏曲集『調和の霊感 作品3』第10番~第12番

『調和の霊感 作品3』初版の表紙 「献呈出版」とは 『調和の霊感 作品3』の最終回です。 前回取り上げたように、この12曲のコンチェルト集は、1711年にアムステルダムのE.ロジェ社から出版されました。 当時は出版にあたって、その曲を特定の王侯貴族に捧げ…

【楽譜出版の歴史】音符がオタマジャクシになったわけ。ヴィヴァルディ:協奏曲集『調和の霊感 作品3』第7番~第9番

はじめは原始的な木版刷りから ヴィヴァルディのコンチェルト集『調和の霊感』は、アムステルダムの出版社エティエンヌ・ロジェ社発行の印刷楽譜によって、全ヨーロッパに普及しました。 当時はレコードなどありませんから、音楽の伝播は楽譜に頼るしかあり…

どれが実像に近い?3つのヴィヴァルディの肖像画。ヴィヴァルディ:協奏曲集『調和の霊感 作品3』第4番~第6番

ヴィヴァルディの真の姿は? ヴィヴァルディについては、主に3つの肖像画が伝わっています。 他にも何点かありますが、基本は3点を模写したものです。 一番有名なのはこちらで、CDのジャケットや教科書にも載っていますが、これは実は、ヴィヴァルディのも…

大人気だった〝ヴァイオリンを弾く赤毛の神父〟。ヴィヴァルディ:協奏曲集『調和の霊感 作品3』第1番~第3番

ガブリエーレ・ベッラ『北方の君主たちを迎えて音楽愛好協会で行われたヴェネツィアの娘たちの演奏会』 ミサをサボった神父さま 前回はヴィヴァルディの宗教音楽を聴きましたが、彼の作品で一番人気なのは言うまでもなくコンチェルトです。 バロック時代のコ…

巨匠の合作!バッハがアレンジしたヴィヴァルディとは。バッハ『4台のチェンバロのための協奏曲 イ短調 BWV1065 』

アントニオ・ヴィヴァルディ(1678-1741) チェンバロが4台!? バッハの複数台のチェンバロのためのコンチェルトの最後は、なんと4台のチェンバロのための曲です。 バッハの曲の中でも、ひときわ奇曲といえるでしょう。 なぜ?どうして?という疑問がいくつ…

6本の手、30本の指が織りなす、美しい音のタペストリー!バッハ『3台のチェンバロのための協奏曲 ニ短調 BWV1063 & ハ長調 BWV1064』

2人の息子と3人で演奏 前回まで、バッハの2台のチェンバロのためのコンチェルトを聴きましたが、今回はさらに1台増えて、3台のためのものです。 今残されているのは『ニ短調 BWV1063』と『ハ長調 BWV1064』の2曲です。 こちらも、2台のための作品と同様、…

往時のバッハ親子共演もかくや!鈴木雅明・優人父子のチェンバロ協奏曲(バッハ・コレギウム・ジャパン)。バッハ『2台のチェンバロのための協奏曲 ハ長調 BWV1061』

自慢の息子たちとの共演 ライプツィヒの大学生による音楽団体、コレギウム・ムジークムでの演奏のために、バッハが旧作や他者の作品を編曲した一連のチェンバロ・コンチェルトを聴いていますが、今回は『2台のチェンバロのための協奏曲 ハ長調 BWV1061』で…

コーヒーハウスでの偉大なる実験。バッハ『2台のチェンバロのための協奏曲 ハ短調 BWV1060』

新しい響きを求めて 前回までバッハの管弦楽組曲(組曲)を聴いてきましたが、それはいずれもライプツィヒの大学生による音楽団体、コレギウム・ムジークムでの演奏のために作曲されたものでした。 新しく書き下ろされたという説もありますが、音楽好きの主…

聴衆という暴君誕生。今に続くコンサートの元祖「コンセール・スピリチュエル」とは。ドラランド『レジナ・チェリ』、コレッリ『クリスマス・コンチェルト』~ベルばら音楽(17)

パリ・テュイルリー宮殿(1850年の絵)※1871年にパリ・コミューンで焼失 巨星墜つ 1715年9月1日、フランス絶対王政の黄金時代を築いたルイ14世が薨去しました。 貴族たちを、王権に反抗しかねない「領主」から「廷臣」にして骨抜きにし、中央集権を実現しま…

賑やかなウィーンの街角。モーツァルト『ピアノ協奏曲 第15番 変ロ長調 K.450』

ウィーン・ベルヴェデーレ宮殿 続・コンチェルト3曲セット モーツァルトはウィーン・デビューのあと、自分が主役で、演奏と作曲の腕前を両方アピールできるピアノ・コンチェルトをメイン・ツールとするべく、第11番 へ長調 K.413、第12番 イ長調 K.414、第1…

几帳面なモーツァルトの「自作品目録」。モーツァルト『ピアノ協奏曲 第14番 変ホ長調 K.449』

モーツァルト自筆の『自作品目録』表紙 おさえられない進化と深化 モーツァルトがウィーンに来てピアニスト兼作曲家としてデビューし、最初にリリースしたピアノ・コンチェルト、第11番 へ長調 K.413、第12番 イ長調 K.414、第13番 ハ長調 K.415、の3曲セッ…

180年ぶりに見つかった楽譜。モーツァルト『ピアノ協奏曲 第12番 イ長調 K.414』

スピード感あふれるコンチェルト モーツァルトがウィーンに来て最初に作ったピアノ・コンチェルト3曲セットの最後に取り上げるのは、第12番 イ長調 K.414です。 研究では、通し番号とは一致しませんが、この曲は3曲セットの最初に作られたとされています。…

モーツァルトのマーケティング&プロモーション戦略。モーツァルト『ピアノ協奏曲 第11番 へ長調 K.413』

大事なのは曲か、演奏か 前回、前々回と、モーツァルトがウィーンに来て大人気だった頃のコンサート・プログラムを取り上げましたが、そこで演じられたふたつのピアノ・コンチェルトのうち、第13番 ハ長調 K.415が新曲でした。 すでに触れたように、この曲は…

モーツァルトが出演したコンサートを完全再現【後半】ピアノ協奏曲 第5番ほか

現在のブルク劇場。建物は3代目で、1955年に再建されたもの。 アリア、コンチェルト...音楽の饗宴は続く 前回に続き、1783年3月23日にウィーン・ブルク劇場で行われた、 オール・モーツァルト・プログラムのコンサートの後半です。 曲名の前の題は、モーツ…

モーツァルトが出演したコンサートを完全再現【前半】ピアノ協奏曲 第13番ほか

ヨーゼフ皇太子(のちのヨーゼフ2世)の婚礼を記念したオペラ上演の様子(1760年)。最前列にマリア・テレジア夫妻と皇子、皇女。 上掲の絵に描きこまれた少年モーツァルト。実際にはモーツァルトはこの席にはおらず、神童としてマリア・テレジアに謁見して…

跳躍する大フーガ。ヘンデル『合奏協奏曲集(コンチェルト・グロッソ) 作品6』(4)

ヘンデルの合奏協奏曲作品6のご紹介、今回で最終回となります。 ヘンデル『合奏協奏曲 作品6 第8番 ハ短調 HWV326』 Handel : Concerto oo.6 no.8 in C minor, HWV326 演奏:トレヴァー・ピノック指揮イングリッシュ・コンサート Trevor Pinnock & The Engl…

神秘のミュゼット。ヘンデル『合奏協奏曲集(コンチェルト・グロッソ) 作品6』(3)

ミュゼット ヘンデルの合奏協奏曲、これまで最初の2曲をご紹介しましたが、12曲もありますので、残りの曲はハイライトでお届けしたいと思います。 いいな、と思われる楽章がありましたら、ぜひ全曲聴いていただけたらと思います。 それぞれに個性あふれる…

ラジオから流れるクラシックについての考察。ヘンデル『合奏協奏曲集(コンチェルト・グロッソ) 作品6』(2)ヘルマン・ヘッセ『荒野のおおかみ』

ヘンデルの代表作のひとつ、合奏協奏曲作品6を聴いています。 今回ご紹介する第2番は、全12曲中、特に私の好きな曲です。 ヘルマン・ヘッセとラジオ。そしてヘンデル。 『車輪の下』を著わした文豪ヘルマン・ヘッセ(1877-1962)の長編小説、『荒野のおおか…

驚くべき速筆の傑作!ヘンデル『合奏協奏曲(コンチェルト・グロッソ)集 作品6』(1)

ジョージ・フリデリック・ヘンデル(1685-1759) 1曲あたり2日間! ヘンデルがオラトリオの幕間に、観客への呼び物として演奏したのは、これまでご紹介したオルガン・コンチェルトのほかに、合奏協奏曲(コンチェルト・グロッソ)があります。 当時、ヘン…

天使が奏でる天上の音楽。ヘンデル『ハープ協奏曲 変ロ長調』

初のハープのためのコンチェルト ヘンデルのオルガン・コンチェルトを、『作品7』を中心に聴いてきましたが、生前に出版された『作品4』もあります。 数が多くなるので、ご紹介はいつかに回したいと思いますが、そのうち第6番は、ハープで弾いても良い、…

ヘンデルのウェディングマーチ。ヘンデル『オルガン協奏曲 作品7』(3)

ジョージ・フリデリック・ヘンデル(1685-1759) 可愛らしいポジティブ・オルガンの音色が心に沁みる、ヘンデルのオルガン協奏曲。これまで3曲ご紹介してきましたが、『作品7』として出版されたコンチェルトのうち、残りの曲で、私の気に入っている楽章を…

鳥と音楽の素敵な関係。ヘンデル『オルガン協奏曲』(2)〝カッコウとナイチンゲール〟とデカメロン伝説

『デカメロン』で小話を披露し合う男女の情景 カッコウとナイチンゲール ヘンデルのオルガン・コンチェルトで一番有名なのは、通番では第13番になるヘ長調〝カッコウとナイチンゲール〟です。 第2楽章で、オルガンが、カッコウとナイチンゲールの鳴き交わす…

可愛いオルガンの響き。ヘンデル『オルガン協奏曲 作品7』(1)

バッハと並ぶ大作曲家 前回、グレン・グールドの弾くヘンデルを取り上げましたので、今回から、ヘンデルをご紹介していきたいと思います。 ヘンデルは、ドイツで生まれ、イタリアで名声を得、ロンドンで大活躍しました。最終的には英国に帰化し、国家に功績…

優美なロココの部屋。ヨハン・クリスティアン・バッハ~バッハの息子たち(3)

末子ヨハン・クリスティアン・バッハ 大バッハの息子のうち、これまでご紹介した、ヴィルヘルム・フリーデマンと、カール・フィリップ・エマヌエルは前妻マリア・バルバラの子ですが、後妻のアンナ・マグダレーナからもふたりの作曲家が誕生しています。 上…