孤独のクラシック ~私のおすすめ~

クラシックおすすめ曲のご紹介と、歴史探訪のブログです。クラシックに興味はあるけど、どの曲を聴いたらいいのか分からない、という方のお役に立ちたいです。(下のメニューは横にスライドしてください)

室内楽

四重奏曲など少人数の合奏曲、また鍵盤楽器を除く器楽独奏曲です。

先輩を上司のパワハラから救え!ミヒャエル・ハイドンとの交友。モーツァルト『ヴァイオリンとヴィオラのための二重奏曲』

ミヒャエル・ハイドン(1737-1806) ザルツブルクで活躍した、ハイドンの弟 モーツァルトが、雇用主のザルツブルク大司教コロレードと衝突し、辞表を叩きつけて大都会ウィーンに飛び出しフリーの音楽家として活動を始めて3年。 新妻を伴って久しぶりにザル…

この支配からの卒業、親の反対押し切った結婚編。モーツァルト『ピアノとヴァイオリンのためのソナタ 作品2〝アウエルンハンマー・ソナタ〟』(2)

コンスタンツェ・ウェーバー(1762-1842) 親の心、子知らず 父レオポルトの反対を押し切り、雇い主であるザルツブルク大司教と大ゲンカをして辞表を叩きつけ、ウィーンでのフリーター生活を始めたモーツァルト。 大司教の侍従である伯爵からお尻を蹴られて…

この支配からの卒業、パワハラ辞職編。モーツァルト『ピアノとヴァイオリンのためのソナタ 作品2〝アウエルンハンマー・ソナタ〟』(1)

父レオポルト・モーツァルト(1719-1787) 父親の支配 就職と結婚。 この人生の2大転機は、自分自身で決断しなければならないことですが、えてして、親からも口を出されがちなことです。 またえてして、こうした転機は重なることもあります。 モーツァルト…

天翔けるピアノと弦。アマデウスの光と影(4)モーツァルト『ピアノ四重奏曲 第2番 変ホ長調 K.493』

アルターリア社による初版譜 雄大で、力強く モーツァルトの明&暗2曲セット、ピアノ四重奏曲第1番 ト短調 K.478の相方は、第2番 変ホ長調 K.493です。 前回のト短調が難し過ぎる、と出版者ホフマイスターから苦情を言われたため、2曲目のこの曲は版刻ま…

アマチュアには難しすぎた曲。アマデウスの光と影(3)モーツァルト『ピアノ四重奏曲 第1番 ト短調』

珍しいピアノ・カルテット モーツァルトの明&暗2曲セット、弦楽五重奏曲の次はピアノ四重奏曲です。第1番 ト短調 K.478と第2番 変ホ長調 K.493のカップリングです。 ありそうな編成の曲ですが、モーツァルトにはこの2曲しかなく、ハイドンには1曲もあ…

たった5人で奏でる、シンフォニックなハーモニー。アマデウスの光と影(2)モーツァルト『弦楽五重奏曲 第3番 ハ長調』

室内楽の〝ジュピター〟 前回からモーツァルトの明暗2曲セットを聴いていますが、弦楽五重奏曲 ト短調 K.516の相方は、ハ長調 K.515です。 ちょうど、シンフォニーの第40番ト短調と第41番ハ長調〝ジュピター〟と同じ組み合わせです。 モーツァルトは、この…

モオツァルトのかなしさは疾走する。涙は追いつけない。アマデウスの光と影(1)モーツァルト『弦楽五重奏曲 第4番 ト短調』

アマデウスの光と影 モーツァルトの〝3大シンフォニー〟を聴いてきましたが、特に最後の第40番ト短調と、第41番ハ長調〝ジュピター〟は、その明暗の対比の強烈さに圧倒されます。 全く違う性格の曲に見えて、その構成は密接に関連づけされている、というの…

ポータブル・オルガンの可愛い響き!バッハ『ヴィオラ・ダ・ガンバとオブリガート・チェンバロのためのソナタ 第3番』

まるでコンチェルトな曲 バッハのヴィオラ・ダ・ガンバのためのソナタ、今回は第3番です。 この曲の〝訳あり〟は、これにもバッハの自筆譜はないということです。また、他の2曲と違い、コンチェルト風の3楽章構成ということも謎です。 短調ながら、名曲ブ…

上司と仲良く弾いた曲?バッハ『ヴィオラ・ダ・ガンバとオブリガート・チェンバロのためのソナタ 第2番』

弟子の改作? バッハのヴィオラ・ダ・ガンバのためのソナタ、今回は第2番です。 この曲の〝訳あり〟は、バッハの自筆譜はなく、バッハの死後3年後に書かれた筆写譜だけで伝わっていることです。 楽譜には混乱したところも見受けられ、おそらくこの曲は、オ…

3通りの演奏で愉しむ、訳ありの曲たち。バッハ『ヴィオラ・ダ・ガンバとオブリガート・チェンバロのためのソナタ 第1番』

ヴィオラ・ダ・ガンバとは バッハの室内楽曲を、まず、一台の楽器だけで歌い上げる無伴奏曲から聴いてきました。チェロ、ヴァイオリン、フルートの3つの楽器用がありました。 次に、オブリガート・クラヴィーアつき(鍵盤楽器の助奏つき)のソナタです。フ…

降り注ぐ、恵みの春雨のような音楽。バッハ『ヴァイオリンとオブリガート・チェンバロのためのソナタ 第3番・第6番』

大胆な実験と、洗練された知性の曲 バッハのオブリガート・クラヴィーアつきのヴァイオリン・ソナタを聴いていますが、最後の2曲になります。 こちらは、前回とは一転して明るく、爽やかな曲で、洗練された知性が高く香っています。 バッハは保守的なイメー…

悲しいとき、つらいときに聴く音楽。バッハ『ヴァイオリンとオブリガート・チェンバロのためのソナタ 第4番・第5番』

レンブラント『聖ペトロの否認』 愛妻への挽歌 前回に続き、バッハの6曲あるオブリガート・クラヴィーア(チェンバロ)つきのヴァイオリン・ソナタのうち、今回は第4番と第5番を聴きます。 前回少し触れましたが、バッハがこの曲を書いた頃、大きな不幸に…

うっとりするような、ふたりの協演。バッハ『ヴァイオリンとオブリガート・チェンバロのためのソナタ 第1番・第2番』

オブリガート・クラヴィーアつきのヴァイオリン・ソナタ 前回、バッハのオブリガート・クラヴィーア(チェンバロ)つきのフルート・ソナタをご紹介しましたが、同じコンセプトの曲が、ヴァイオリンとヴィオラ・ダ・ガンバにあります。 バッハは、当時一般的…

心癒される、フルートとチェンバロのマリアージュ。バッハ『フルートとオブリガート・チェンバロのためのソナタ 』

典雅なオブリガート・チェンバロ バッハの無伴奏曲を聴いてきましたが、あまりに深遠だったので、そろそろお口直しといこうと思います。 前回は無伴奏フルート・パルティータでしたが、バッハのフルート曲には、伴奏付きのものと、オブリガート・クラヴィー…

闇夜の森に響く、孤独なフラウト・トラヴェルソ。バッハ『無伴奏フルートのためのパルティータ 』

フラウト・トラヴェルソ 古いフルート、フラウト・トラヴェルソ バッハの無伴奏曲を、チェロ、ヴァイオリンの順に聴いてきましたが、最後はフルートです。 古楽器のフルートは、フラウト・トラヴェルソと呼ばれています。 それは、バロック以前にはフルート…

ロンドンの地下鉄での思い出。バッハ『無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータ 第3番』

ケーテン時代のバッハ 唯一の長調曲 無伴奏ヴァイオリン・ソナタとパルティータの最後の曲、第3番です。 唯一、長調の明るい曲ですが、深みはこれまでの短調曲に劣りません。 ソナタ第3番のフーガ、パルティータのプレリュード、ガヴォットなどが聴きどこ…

バッハ入魂の曲〝シャコンヌ〟バッハ『無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータ 第2番』

無伴奏ヴァイオリン・ソナタの自筆譜 不朽の傑作、シャコンヌ 無伴奏ヴァイオリン・ソナタとパルティータの第2番です。 それぞれ、第2番は全曲の中で特に有名です。ソナタは第2楽章の大フーガ、パルティータは終楽章(第6楽章)のシャコンヌが聴きどころ…

たった1台のヴァイオリンが奏でる、広大な宇宙。バッハ『無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータ』

ジギスヴァルト・クイケン 無伴奏の演奏史 前回まで、バッハの無伴奏チェロ組曲を取り上げましたが、今回から、バッハの無伴奏、いやバッハ芸術の極致というべき、無伴奏ヴァイオリン・ソナタとパルティータをご紹介します。 バッハの天才が最も力強く発揮さ…

偉大なるチェリストによる、偉大なる再発見。バッハ『無伴奏チェロ組曲 第2番~第6番』〜パブロ・カザルスとアンナー・ビルスマ

アンナ・マグダレーナ・バッハの写譜による『無伴奏チェロ組曲』 〝無伴奏〟の意味するものとは 前回、バッハの無伴奏チェロ組曲第1番をご紹介しましたが、文字通り伴奏を伴わない、純粋なソロの曲が、バッハにはチェロ、ヴァイオリン、フルートの3種あり…

ストラディヴァリウス〝セルヴェ〟にまつわる物語。バッハ『無伴奏チェロ組曲 第1番』〜アンナー・ビルスマの演奏で聴く

ストラディヴァリ製のチェロ〝セルヴェ〟(スミソニアン博物館所蔵) ストラディヴァリウスの名器〝セルヴェ〟 前回のシューベルト『弦楽四重奏曲』は、スミソニアン博物館所蔵のストラディヴァリウスを全て使った演奏でご紹介しました。 そのうちのチェロは…

名器ストラディヴァリウスで聴く、眠れない夜にぴったりの曲。シューベルト『弦楽五重奏曲 ハ長調』

ウィーンで評判となった、友人たち主催のミニコンサート、シューベルティアーデ(シューベルトの夕べ)で演奏するシューベルト シューベルト室内楽の最高傑作 前回、村上春樹の『騎士団長殺し』に出てくる曲として、シューベルトの弦楽四重奏曲を取り上げま…

続・村上春樹『騎士団長殺し』と音楽。シューベルト『弦楽四重奏曲 第13番〝ロザムンデ〟』そして『ファウスト』

フランツ・シューベルト(1797-1828) カルテットの魅力 村上春樹氏の『騎士団長殺し』では、オペラが重要なファクターになっていますが、それとともに作品を味わい深くしているのが、何曲か取り上げられている弦楽四重奏曲です。 弦楽四重奏曲。String Quar…

天使が歌うクリスマス・ソング。シャルロット・チャーチ×ヘンデル『もろびとこぞりて』

主は来ませり 今夜はクリスマス・イブです。 これまでしばらくヘンデルの音楽を聴いてきましたが、ヘンデル作曲のクリスマス・キャロルといえば、『もろびとこぞりて』です。 歌詞が古色蒼然としていますので、子供の頃は意味も分からず『シュワ~シュワ~』…

情熱のラ・フォリア。コレッリ『ヴァイオリン・ソナタ集作品5』

1690年頃のコレッリ イベリアの情熱と哀愁 前々回取り上げた、リコーダーに編曲されたものの原曲です。 トリオ・ソナタと違い、ヴァイオリン・ソロのための曲集で、こちらも12曲セットです。 どの曲も素晴らしいのですが、特に有名なのが、最後に置かれた『…

後世への贈り物。コレッリ『トリオ・ソナタ』

1700年頃のコレッリ コレッリの生涯 前回、前々回からご紹介している曲の作曲者、私の大好きなコレッリのご紹介をします。 アルカンジェロ・コレッリ。 コレルリ、コレリ、と表記されることもあります。 1653年に北イタリア、フジニャーノで生まれ、ボローニ…

独り暮らしの思い出。コレッリ『ヴァリオリン・ソナタ集作品5の11(リコーダー版)』

初めての独り暮らし 前回ご紹介した、コレッリのソナタ、リコーダー版の第11曲です。 この曲には、私が初めて独り暮らしを始めたときの思い出があり、格別な曲になります。まぁ、たいした思い出でもないのですが、つづらせてください。 25年前、新入社員とし…

心が疲れたときの、おすすめの音楽。コレッリ『ヴァリオリン・ソナタ集作品5の9(リコーダー版)』

クラシックの秋 残暑も収まり、金木犀の香りただよい、ようやく秋らしくなってきました。 秋、一番好きな季節です。 私が思うクラシックを聴く好条件、それは『秋』『夜』『雨』です。 この三拍子が揃ったら、とっておきのワインを開けて、どっぷり浸るしか…

遠い日の歌。『パッヘルベルのカノン』~古楽器で聴く結婚式の定番曲(1)

結婚式や披露宴で流される定番クラシックは多いですが、もちろん編曲されたものなので、当時の楽器で演奏されたオリジナルの響きもぜひ! 聴き飽きた、という人も多いかもしれませんが…。 定番中の定番といえば、『パッヘルベルのカノン』。 これは、何度聴…