孤独のクラシック ~私のおすすめ~

クラシックおすすめ曲のご紹介と、歴史探訪のブログです。クラシックに興味はあるけど、どの曲を聴いたらいいのか分からない、という方のお役に立ちたいです。(下のメニューは横にスライドしてください)

男をめぐって散る火花。フィガロの結婚(4)『スザンナとマルチェリーナの二重唱』

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スザンナ、フィガロと、マルチェリーナ、バルトロ

フィガロの結婚』第1幕第3

フィガロが退場し、誰もいなくなった部屋に、医者のバルトロと、女中頭のマルチェリーナが入ってきます。

バルトロは、ロジーナを伯爵に奪われた恨みをフィガロに抱き、マルチェリーナは、息子くらいに年の離れたフィガロにぞっこんです。マルチェリーナは若い頃はバルトロの愛人で、今ではその関係は解消したものの、なんだかんだよく一緒にいます。

マルチェリーナは、フィガロに大金を貸しているのですが、その契約書には、返済できなければフィガロはマルチェリーナと結婚する、と書いてあるのです。

彼女はその契約書をたてにフィガロの結婚を阻止できないか、とバルトロに相談します。

バルトロは、結婚式の当日だし、なかなか難しい・・・と渋りながらも、フィガロに仕返ししたいのは山々なので、よーし、一丁やってみるか!と乗り気になります。

にっくきあいつに俺の昔の女を押し付けてやるなんて、なかなか面白い、と。

そして、大迫力のアリアを歌います。バルトロのねちっこい親父ぶりが全開で伝わってきます。

第4曲 バルトロのアリア『復讐こそわが楽しみ』

復讐だ! ああ、復讐は、賢者に与えられた楽しみ。

恥や怒りを水に流してしまうのは、愚か者のやること。

今回のは難題だが、権謀術数を巡らせば、やり遂げられるだろう。

法典をひっくり返せば、同義語やこじつけによって、何とかなるものだ。

セビリア中に有名なバルトロ様だ!

あの悪党フィガロなど、あっという間にひとひねり。

 

 フィガロの結婚』第1幕第4

マルチェリーナも、バルトロを頼りにしながらも、伯爵がスザンナに下心があるのを知っているので、スザンナを刺激して伯爵に反抗させ、伯爵を怒らせてこの結婚をぶち壊してもらおう、と目論みます。

そこに、ちょうどスザンナが通りかかったので、わざと〝フィガロも結局お金が大事なのよ〟などと聞えよがしに言って挑発します。

そして、怒って出て行こうとするスザンナと出口で鉢合わせし、お互いにお辞儀をしながら譲り合う滑稽な二重唱となります。

第5曲 スザンナとマルチェリーナの小二重唱

マルチェリーナ

どうぞお先に、素敵なお嬢さま。

スザンナ

私はそんなに厚かましくはございません、粋な奥様。

マルチェリーナ

いいえ、お先にどうぞ。

スザンナ

いえいえ、どうぞお先に。

スザンナ、マルチェリーナ

私は身分をわきまえておりますので、失礼なことはいたしませんわ。

マルチェリーナ

新しい花嫁さま!

スザンナ

名誉ある女官さま!

マルチェリーナ

伯爵様のお気に入り!

スザンナ

スペインの憧れ!

マルチェリーナ

お人柄も!

スザンナ

お召し物も!

マルチェリーナ

ご身分も!

スザンナ

お年も!

マルチェリーナ(怒って独白)

なんですって! これ以上ここにいたら気が狂うわ。

スザンナ(あざけるように独白)

老いぼれ婆さんが、笑わせないでよ!

慇懃なやりとりに見えて、女同士の火花を散らした一触即発の二重唱に、そこに居合わせたさすがのバルトロも背筋を凍らせます。

そして、スザンナを怒らせようとしたマルチェリーナは、逆にカンカンになって退場。バルトロも慌てて後を追いかけます。

 

次回、ひとりになったスザンナのところに、愛すべきトラブルメーカーが飛び込んできます。

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