孤独のクラシック ~私のおすすめ~

クラシックおすすめ曲のご紹介と、歴史探訪のブログです。クラシックに興味はあるけど、どの曲を聴いたらいいのか分からない、という方のお役に立ちたいです。(下のメニューは横にスライドしてください)

近鉄阿部野橋駅で鳴る〝青のシンフォニー〟ハイドン『交響曲 第101番 ニ長調〝時計〟』

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チックタックと時間は過ぎる

ハイドンの第2期ザロモン・セットの3曲目は、シンフォニー第101番〝時計〟です。

こちらも、愛称がついていることもあり、ハイドンのシンフォニーの中でも最も演奏機会が多いのではないでしょうか。

ハイドンのシンフォニーの絶頂を示す傑作です。

愛称の〝時計〟は、第2楽章が時計の刻む振り子のリズムを思わせるためで、19世紀になってからつけられたものです。

ベートーヴェンもおそらくこの曲を意識して(パクって)、シンフォニー第8番の第2楽章を作ったのではないかと思います。あちらはメトロノームを模したということになっていますが。

逆に、フィナーレの盛り上がりは、モーツァルトのシンフォニー41番〝ジュピター〟の第4楽章を意識しているように思えてならないです。

近鉄が走らせている、奈良、吉野に向かう豪華特急青の交響曲(シンフォニー)』の発車メロディーに、この第2楽章が使われています。

時間にこだわる鉄道にふさわしいシンフォニーで、なかなかの選曲センスですね。

車体もクラシカルで、ハイドンの古典派シンフォニーにぴったりです。

www.kintetsu.co.jp

 

そういえば、チックタックと鳴る時計はもう少ないですね。我が家にも、もうひとつもないです。

子供の頃、夜中にふと目が覚めると、真っ暗闇の中、ただ、チックタックという時計の音だけが聞えてきて、なんともいえず不安な気持ちになったのを懐かしく思い出します。

ハイドン交響曲 第101番 ニ長調 Hob.Ⅰ:101〝時計〟  

F.J.Haydn : Symphony no.101 in D major, Hob.Ⅰ:101 “The Clock”

 

マルク・ミンコフスキ指揮レ・ミュジシャン・デュ・ルーヴル

Marc Minkowski & Les Musiciens du Louvre

第1楽章 アダージョープレスト

序奏は、この後、底抜けに明るい曲になるのを全く感じさせない、主短調であるニ短調のシリアスなものです。主部のテーマは、子供の愉快ないたずらを思わせるような無邪気なものです。そして、颯爽とした弦楽と、豪快なトゥッティが鮮やかな対比を作っていきます。展開部はとても凝った作りで盛り上がっていきます。思わず体が動き出してしまうような楽しい楽章です。

第2楽章 アンダンテ

〝時計〟の愛称の元になった楽章で、スタッカートによって奏でられる伴奏が、規則正しく拍子を刻む時計を思わせます。小さな鐘を鳴らすようなピチカートもとても可愛い!この楽章は〝驚愕〟のアンダンテと同じように変奏曲になっていて、第1変奏は始まり方からは想像もつかない迫力で展開していきます。第2変奏はフルートとオーボエファゴット、第1ヴァイオリンの美しい四重奏。第3楽章は短いつなぎの性格で、第4楽章は総員でテーマを力強く奏します。

第3楽章 メヌエット:アレグレット

元気いっぱいの壮大なメヌエットです。まさに、これぞハイドン、という趣きで、壮大な気分にしてくれます。トリオは、フルートがひなびたメロディを呼び交わす、印象的なものです。

第4楽章 フィナーレ:ヴィヴァーチェ

最初は小さな音でテーマが奏でられ、フォルテになって一気に盛り上げていくのは、いつもの常套手段ではありますが、円熟期のハイドンはまさに手に汗握る展開となります。短調に移ってからは変幻自在、オーケストラがひとつの火の玉になったかのような迫力です。ハイドンの数あるフィナーレの中でも最高の盛り上がりをみせるのです。これはもはや、優雅な貴族のためのものではなく、新時代の訪れを告げる、輝かしい万民のための音楽なのです。当時の人々の熱狂まで伝わってくる、この上なく熱い楽章で、私も聴くたびに力と勇気をもらっています。

 

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