古楽器による結婚式の定番曲をご紹介してきましたが、縁起よく末広がりの八曲目でいったんお開きにしたいと存じます。笑
こちらは、必ずしも結婚式の定番というわけではないですが、モーツァルトの曲の中でもポピュラーであり、とある結婚式で演奏されたのでご紹介します。
とある結婚式のおはなし
〝とある結婚式〟というのは、私の結婚式です。
もう17年前になりますか・・・。
ひどく評判の悪い結婚式でした。苦笑
何かにつけこだわってしまう私は、並みの結婚式はいやで、当時流行っていたレストラン・ウェディングを画策し、100年前の英国の市長の館をはるばる移築したという1軒屋のレストランを終日貸し切り、結婚式、披露宴、二次会を全部ここで行うことにしました。
時は盛夏、7月下旬。
梅雨も明けて晴れたのはいいのですが、気象庁が外出を控えるよう呼びかけるほどの猛暑日となりました。
ところが、この古い館は冷房が全然効かず、さらに庭に張り出したガラス張りの席はサンルーム状態となり、ご来賓は炎熱地獄でおもてなし。
時期を考えて〝軽装でお越しください〟などとご案内するような気遣いも思いつかず。
さらに、クラシック好きの私としては、〝披露宴のBGMは生演奏で〟などとこだわり、ネットで、たった10万円で来てくれる弦楽四重奏団を見つけ、依頼しました。
そして、私の選曲で、乾杯と同時に演奏してくれたのがこの曲なのです。
正装して、大汗を流しながら一生懸命演奏してくれたのですが、宴が始まってしまうと誰も耳を傾けず。
というわけで、なんとも酸っぱい思い出の曲なのです。
モーツァルト『ディヴェルティメント ニ長調 K.136』
Mozart : Divertimento in D major K.136
演奏:ドロットニングホルム・バロック・アンサンブル
Drottningholm Baroque Ensemble
ディヴェルティメント、というのは、「気晴らし」「娯楽」といった意味で、ジャンルとしては曖昧なものです。それこそ、祝宴のようなイベントで出し物として演奏されたようです。この曲は、モーツァルト16歳の時、ザルツブルクで、変ロ長調K.137、ヘ長調K.138と3曲セットで作曲されました。どのような機会のために作られたかは分かっていません。私の披露宴の時のように弦楽四重奏で演じられたのか、この演奏のようにオーケストラで演奏されたのかも不明です。でも、当時の感覚ではどちらでも都合に合わせて結構、だったと思いますが。
曲名からは分からなくても、聞けば〝あー、これね〟とお分かりになるはずです。
ふつう、他人の結婚式のことなど時間が経てば忘れてしまいがちですが、私のものは、後々まで『あれはひどかったねぇ』と覚えていてくださっています。笑
これから結婚式を挙げられる方、自分たちのこだわりはほどほどにして、来てくださるお客様のことを第一に考えましょう!
お幸せに!
今回もお読みいただき、ありがとうございました。
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