主は来ませり🎶
今夜はクリスマス・イブです。
これまでしばらくヘンデルの音楽を聴いてきましたが、ヘンデル作曲のクリスマス・キャロルといえば、『もろびとこぞりて』です。
歌詞が古色蒼然としていますので、子供の頃は意味も分からず『シュワ~シュワ~』と、ただただサイダーのイメージでした。
しかし、ヘンデル作曲というのもちょっと怪しくて、実際は〝アメリカ讃美歌の父〟といわれたローウェル・メイスン(1792-1872)が作曲し、箔付けのために大家ヘンデルのメサイアから編曲した、と称したようです。
でも、屈託のないのびのびとした歌は、いかにもヘンデルっぽさを感じます。
歌詞『もろびとこぞりて迎えまつれ 久しく待ちにし 主は来ませり 主は来ませり』というのは日本だけで、欧米では様々な歌詞をあてて歌われているようですが、一番ポピュラーなのは『Joy to the world, the Lord is come!』です。
クリスマス・ソングの中では古くて、最近はあまり聞かなくなりましたが、やはり、特別な懐かしさがあります。
ヘンデルつながりで、イブにぜひあらためて味わっていただければと思います。
この曲は、1998年に12歳でデビューし、〝天使の歌声〟として一世を風靡したシャルロット・チャーチの歌で味わっています。
2000年に出た、クリスマスソングを集めたアルバム『Dream a Dream』は、私の大のお気に入りで、クリスマスが来ると必ず聞いて気分を盛り上げています。
彼女の曲を最初に聴いたのは、アルバムが出た頃、国際線の飛行機の中でした。聖地エルサレムで歌ったミュージックビデオで、14歳の少女とは思えない圧倒的な歌声に感動し、機内で涙が止まりませんでした。そんな彼女も今はもう30代ですから、月日の経つのは早いです。
『もろびとこぞりて』Joy to the World
作曲:ヘンデル G.F.Handel
歌:シャルロット・チャーチ Charlotte Church
演奏:ロンドン交響楽団
せっかくなので、アルバムの中から、クラシカルなクリスマス・ソングをいくつか抜粋します。
『神の御子は今宵しも』O Come, All Ye Faithful
作曲:ウェード J.F.Wade
作曲者には異説も多く、13世紀までさかのぼる古い讃美歌です。ヘンデルという説もありました。
『牧人ひつじを』The First Noel
作曲者不詳 Traditional
17世紀以前から歌われている、イギリスのクリスマス・キャロルです。
『マリアの御子』Mary's Boy Child
作曲:ジェスター・ヘアーストン J.Hairston
伝説的なアメリカの俳優にして作曲家、作詞家、聖歌指揮者だったジェスター・ヘアーストンが1956年に作ったクリスマス・キャロルです。胸がいっぱいになります。
『みそらにこだます』Ding Dong! Merrily On High
作曲者不詳 Traditional
ディンドン!いと高きところで、喜びに天の鐘が鳴る。
ディンドン!いと高き御空で、 天使達が歌う。
栄光、いと高きところにあれ。ホザンナ!
16世紀のフランスの賛美歌を20世紀に編曲した、心踊るクリスマス・キャロルです。〝ホザンナ〟は〝ホサナ〟〝ホサンナ〟〝オサンナ〟など、色々に表記されますが、〝ハレルヤ〟〝アーメン〟と同様、ヘブライ語由来の祈りの言葉で、元々は〝どうかお救いください〟といった意味でしたが、イエスのエルサレム入城のとき、子供たちが上げた歓喜の声として、神を讃美する言葉になっています。
『天には栄え』Hark! the Herald Angels Sing
作曲:メンデルスゾーン F.Mendelssohn
『真夏の夜の夢』を作曲したメンデルスゾーンが、印刷術発明400年を記念して作曲した『グーテンベルク・カンタータ』の中の1曲です。
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『幼子が生まれたら』When a Child is Born
作曲:ザカール
クリスマス・キャロルの中でも特に好きですが、どうしても、子供の頃のTV番組『カックラキン大放送!!』を思い出してしまうのです。坂上二郎、堺正章、野口五郎、研ナオコたちが最後に歌っていた姿が懐かしく思い浮かび…笑
作曲:シャルル・グノー C.Gounod
バッハの平均律クラヴィーア曲集第1巻第1番のプレリュードを伴奏に、讃美歌を載せた有名な『グノーのアヴェ・マリア』です。
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『さやかに星はきらめき』O Holy Night
作曲:アドルフ・アダン
どこまでも透明な、シャルロットの歌声が心に沁みます。
『きよしこの夜』Silent Night
作曲:フランツ・クサヴァー・グルーバー
クリスマス・キャロルの中でも定番中の定番ですが、かなり〝やっつけ〟で作られた、というエピソードがあります。1818年のクリスマス前日、オーストリアのオーベルンドルフにて、教会のオルガンがネズミにかじられて音が出なくなり、急遽一晩で、ギターで伴奏できる曲を作曲した、というのです。完成したのはミサが始まる数時間前だったとか。ヘンデルにも、モーツァルトにも、同様の速筆の伝説があるので、名曲はときとして〝降りてくる〟のは間違いなさそうです。
『dream a dream』アルバム全曲はこちらです。聖夜のBGMに…
最後に、私の大好きな、コレッリのクリスマス・コンチェルトをお届けします。
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佳きクリスマスをお迎えください!
今回もお読みいただき、ありがとうございました。
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