バッハの『クリスマス・オラトリオ』全6部を、実際に演奏された教会歴にしたがって聴いていきます。きょう12月26日は、第2部の日です。メサイアに描かれたのと同じ、『羊飼いの聖夜』を描きます。
クリスマス・イブの奇蹟ですが、演奏は26日なのです。
バッハ『クリスマス・オラトリオ BWV248 第2部』
降誕節(クリスマス)第2祝日(12月26日)用
J.S.Bach : Weihnachts-Oratorium / Christmas Oratorio BWV248
演奏:ジョン・バット指揮ダニーデン・コンソート
John Butt & Dunedin Consort
メサイアと同じ『パストラル・シンフォニー(田園交響曲)』つまり、羊飼いが番をし、羊たちが眠るのどかな牧場の夜を描きます。牧歌調のこのシシリアーナ風のリズムは、イエスの眠るゆりかごも暗示しています。
第15曲 アリア『喜びの羊飼いたち』
フルートのオブリガートのついたテノール独唱による、羊飼いたちの喜びの歌です。
第19曲 アリア『ねむれ、いとし子よ』
飼い葉桶に眠るイエスに向けたアルトによる子守歌で、このオラトリオの中で最も有名な曲です。生まれたばかりの幼子に対する母の愛情たっぷりのアリアで、ダ・カーポのある長大な歌に身を任せていると、赤ん坊に戻ったような気になります。
第21曲 天使の合唱『いと高きところ、神に栄光あれ』
羊飼いの前に現れた天使と天の軍勢が歌う、神への讃歌です。メサイアにも同じ場面があり、比較しました。バッハの方がやや複雑で、スタッカート的に歌います。天いっぱいにひろがった輝かしい光が目に見えるようです。
第23曲 コラール『われら主の軍勢とともに歌う』
天使に負けじと、人間が歌う神への讃歌です。コラールの間奏は、冒頭のシンフォニアからとられた、ゆりがごのテーマです。最後、ゆりかごが揺れて終わるさまは、これから激動の生涯を送ることになる幼子への、今はゆっくり眠ってください、という切なくも慈しみに満ちたメッセージとなっているのです。
今回もお読みいただき、ありがとうございました。
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