ヘンデルの合奏協奏曲作品6のご紹介、今回で最終回となります。
ヘンデル:合奏協奏曲 作品6 第8番 ハ短調
Handel : Concerto grosso op.6 no.8 in C minor, HWV326
演奏:トレヴァー・ピノック指揮 イングリッシュ・コンサート
Trevor Pinnock & The English Conser
第3楽章 アンダンテ・アレグロ
トゥッティ(全体合奏)と、ソーリ(独奏楽器群)がそれぞれ、断片的なリズムのフレーズを掛け合うという、かなり実験的な感じの楽章ですが、それだけに強い印象が残ります。
ヘンデル:合奏協奏曲 作品6 第9番 ヘ長調
Handel : Concerto grosso op.6 no.9 in F major, HWV327
この第9番も流用の多い曲で、第2楽章は、あのオルガン協奏曲〝カッコウとナイチンゲール〟から取られています。この最終楽章はオリジナルですが、まさにコレッリの作品6の雰囲気に似ていて、ヘンデルの、あの先輩に対するオマージュではないでしょうか。若い頃ヘンデルはイタリアで、自作を自分の思う通りに弾けないコレッリの手からヴァイオリンをひったくるという無礼を働いているのですが、バッハはヴィヴァルディ、ヘンデルはコレッリに大きな影響を受けたように感じられます。
ヘンデル:合奏協奏曲 作品6 第10番 ニ短調
Handel : Concerto grosso op.6 no.10 in D minor, HWV328
ガヴォット風の、かわいいテーマでぽつんぽつんと始まり、だんだんと変奏を重ねて、盛り上げていきます。
ヘンデル:合奏協奏曲 作品6 第11番 イ長調
Handel : Concerto grosso op.6 no.11 in A major, HWV329
イタリア・コンチェルト風に独奏ヴァイオリンが活躍する、活発で元気な曲です。楽器同士の掛け合いは、まるで森の中でたくさんの鳥たちが鳴き交わすようににぎやかで、華やかです。
ヘンデル:合奏協奏曲 作品6 第12番 ロ短調
Handel : Concerto grosso op.6 no.12 in B minor, HWV330
ヴィヴァルディのコンチェルトを思わせる激しく速い曲ですが、ヘンデルならでは雄渾さも含んでいて、聴きごたえのある楽章です。非常に〝カッコイイ〟と思います。
この12曲の大曲集を締めくくるにふさわしい曲で、〝大フーガ〟と呼ばれ、有名です。跳躍するようなテーマは、実はヘンデルの師、ツァッホーの作品からとられたもので、ヘンデルはこの曲で師に最大限の敬意と感謝を示しているのです。
ヘンデルの金字塔、コンチェルト・グロッソ作品6は、以上で幕、となります。
今回もお読みいただき、ありがとうございました。
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