孤独のクラシック ~私のおすすめ~

クラシックおすすめ曲のご紹介と、歴史探訪のブログです。クラシックに興味はあるけど、どの曲を聴いたらいいのか分からない、という方のお役に立ちたいです。(下のメニューは横にスライドしてください)

バッハ

ポータブル・オルガンの可愛い響き!バッハ『ヴィオラ・ダ・ガンバとオブリガート・チェンバロのためのソナタ 第3番』

まるでコンチェルトな曲 バッハのヴィオラ・ダ・ガンバのためのソナタ、今回は第3番です。 この曲の〝訳あり〟は、これにもバッハの自筆譜はないということです。また、他の2曲と違い、コンチェルト風の3楽章構成ということも謎です。 短調ながら、名曲ブ…

上司と仲良く弾いた曲?バッハ『ヴィオラ・ダ・ガンバとオブリガート・チェンバロのためのソナタ 第2番』

弟子の改作? バッハのヴィオラ・ダ・ガンバのためのソナタ、今回は第2番です。 この曲の〝訳あり〟は、バッハの自筆譜はなく、バッハの死後3年後に書かれた筆写譜だけで伝わっていることです。 楽譜には混乱したところも見受けられ、おそらくこの曲は、オ…

3通りの演奏で愉しむ、訳ありの曲たち。バッハ『ヴィオラ・ダ・ガンバとオブリガート・チェンバロのためのソナタ 第1番』

ヴィオラ・ダ・ガンバとは バッハの室内楽曲を、まず、一台の楽器だけで歌い上げる無伴奏曲から聴いてきました。チェロ、ヴァイオリン、フルートの3つの楽器用がありました。 次に、オブリガート・クラヴィーアつき(鍵盤楽器の助奏つき)のソナタです。フ…

降り注ぐ、恵みの春雨のような音楽。バッハ『ヴァイオリンとオブリガート・チェンバロのためのソナタ 第3番・第6番』

大胆な実験と、洗練された知性の曲 バッハのオブリガート・クラヴィーアつきのヴァイオリン・ソナタを聴いていますが、最後の2曲になります。 こちらは、前回とは一転して明るく、爽やかな曲で、洗練された知性が高く香っています。 バッハは保守的なイメー…

悲しいとき、つらいときに聴く音楽。バッハ『ヴァイオリンとオブリガート・チェンバロのためのソナタ 第4番・第5番』

レンブラント『聖ペトロの否認』 愛妻への挽歌 前回に続き、バッハの6曲あるオブリガート・クラヴィーア(チェンバロ)つきのヴァイオリン・ソナタのうち、今回は第4番と第5番を聴きます。 前回少し触れましたが、バッハがこの曲を書いた頃、大きな不幸に…

うっとりするような、ふたりの協演。バッハ『ヴァイオリンとオブリガート・チェンバロのためのソナタ 第1番・第2番』

オブリガート・クラヴィーアつきのヴァイオリン・ソナタ 前回、バッハのオブリガート・クラヴィーア(チェンバロ)つきのフルート・ソナタをご紹介しましたが、同じコンセプトの曲が、ヴァイオリンとヴィオラ・ダ・ガンバにあります。 バッハは、当時一般的…

心癒される、フルートとチェンバロのマリアージュ。バッハ『フルートとオブリガート・チェンバロのためのソナタ 』

典雅なオブリガート・チェンバロ バッハの無伴奏曲を聴いてきましたが、あまりに深遠だったので、そろそろお口直しといこうと思います。 前回は無伴奏フルート・パルティータでしたが、バッハのフルート曲には、伴奏付きのものと、オブリガート・クラヴィー…

闇夜の森に響く、孤独なフルート。バッハ『無伴奏フルートのためのパルティータ 』

フラウト・トラヴェルソ 古いフルート、フラウト・トラヴェルソ バッハの無伴奏曲を、チェロ、ヴァイオリンの順に聴いてきましたが、最後はフルートです。 古楽器のフルートは、フラウト・トラヴェルソと呼ばれています。 それは、バロック以前にはフルート…

ロンドンの地下鉄での思い出。バッハ『無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータ 第3番』

ケーテン時代のバッハ 唯一の長調曲 無伴奏ヴァイオリン・ソナタとパルティータの最後の曲、第3番です。 唯一、長調の明るい曲ですが、深みはこれまでの短調曲に劣りません。 ソナタ第3番のフーガ、パルティータのプレリュード、ガヴォットなどが聴きどこ…

バッハ入魂の曲〝シャコンヌ〟バッハ『無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータ 第2番』

無伴奏ヴァイオリン・ソナタの自筆譜 不朽の傑作、シャコンヌ 無伴奏ヴァイオリン・ソナタとパルティータの第2番です。 それぞれ、第2番は全曲の中で特に有名です。ソナタは第2楽章の大フーガ、パルティータは終楽章(第6楽章)のシャコンヌが聴きどころ…

たった1台のヴァイオリンが奏でる、広大な宇宙。バッハ『無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータ 第1番』

ジギスヴァルト・クイケン 無伴奏の演奏史 前回まで、バッハの無伴奏チェロ組曲を取り上げましたが、今回から、バッハの無伴奏、いやバッハ芸術の極致というべき、無伴奏ヴァイオリン・ソナタとパルティータをご紹介します。 バッハの天才が最も力強く発揮さ…

偉大なるチェリストによる、偉大なる再発見。バッハ『無伴奏チェロ組曲 第2番~第6番』

アンナ・マグダレーナ・バッハの写譜による『無伴奏チェロ組曲』 〝無伴奏〟の意味するものとは 前回、バッハの無伴奏チェロ組曲第1番をご紹介しましたが、文字通り伴奏を伴わない、純粋なソロの曲が、バッハにはチェロ、ヴァイオリン、フルートの3種あり…

ストラディヴァリウス〝セルヴェ〟にまつわる物語。バッハ『無伴奏チェロ組曲 第1番』

ストラディヴァリ製のチェロ〝セルヴェ〟(スミソニアン博物館所蔵) ストラディヴァリウスの名器〝セルヴェ〟 前回のシューベルト『弦楽四重奏曲』は、スミソニアン博物館所蔵のストラディヴァリウスを全て使った演奏でご紹介しました。 そのうちのチェロは…

バッハによる年越し、力強いフィナーレ。『クリスマス・オラトリオ 第6部』(6)

東方三博士の礼拝 顕現節とは きょう1月6日は、キリスト教では『顕現節』『顕現日』『公現祭』などと呼ばれる祝日です。 前項で触れたように、幼子イエスを東方三博士が礼拝したことを記念しています。 この日をもって、クリスマス以来、キリスト教でのイエ…

星に導かれた、謎の東方三博士。バッハ『クリスマス・オラトリオ 第5部』(5)

ケルン大聖堂にある東方三博士の金棺 バッハの『クリスマス・オラトリオ』全6部を、実際に演奏された教会暦にしたがって聴くシリーズの5回目です。第5部は、新年第1日曜日用ですが、1月6日までに該当する日曜がなければ、その間のどの日かで演奏されま…

新春おすすめクラシック & バッハ『クリスマス・オラトリオ 第4部』(4)

ヨハン・シュトラウス二世記念像(ウィーン) 新年あけましておめでとうございます! クラシックのおすすめと歴史をご紹介するブログ、のつもりが、やはりと言うか、ただのmy favoritesになってしまってますけれど、今年もどうかよろしくお願いします。 まず…

聖母マリアの心のうち。バッハ『クリスマス・オラトリオ 第3部』(3)

バッハの『クリスマス・オラトリオ』全6部を、実際に演奏された教会暦にしたがって聴いていきます。きょう12月27日は、第3部の日です。 ちょうどその日に聴けばご利益がある、ということだといいですが、キリスト教はそういうものじゃないでしょうね。…

どこまでも優しい子守歌。バッハ『クリスマス・オラトリオ 第2部』(2)

バッハの『クリスマス・オラトリオ』全6部を、実際に演奏された教会歴にしたがって聴いていきます。きょう12月26日は、第2部の日です。メサイアに描かれたのと同じ、『羊飼いの聖夜』を描きます。 クリスマス・イブの奇蹟ですが、演奏は26日なのです…

ティンパニとどろく、バッハのメリー・クリスマス!バッハ『クリスマス・オラトリオ 第1部』(1)

バッハが活躍、演奏したライプツィヒの聖トーマス教会内陣 Merry Christmas ! バッハのクリスマス音楽 12月は、クリスマスにちなんだ曲ということで、ヘンデルのオラトリオ『メサイア』を聴いてきましたが、メサイアは特にクリスマスのために作られた曲では…

バッハ流ピアノ教育とは。グレン・グールド×バッハ『小プレリュードと小フーガ集』

偉大な教育者、バッハ これまで、グレン・グールドによる、バッハの主要なクラヴィーア曲を聴いてきました。 『ゴールトベルク変奏曲』『平均律クラヴィーア曲集』『インヴェンションとシンフォニア』『イタリア協奏曲』『フランス風序曲』『パルティータ』…

神の曲、悪魔の曲。グレン・グールド×バッハ『イギリス組曲 第4番~第6番』

グレン・グールド弾くバッハの『イギリス組曲』。今回は、全6曲のうち、後半3曲のご紹介です。 今回も、全曲のアルバムは下記ですが、個々の曲も掲げます。 バッハ『イギリス組曲 第4番 へ長調 BWV809』 Bach : English Suite no.4 in F major, BWV809…

子宮的な安心感の中で。グレン・グールド×バッハ『イギリス組曲 第1番~第3番』

誰が名付けた? イギリス組曲 グレン・グールドによるバッハの3大組曲、最後は『イギリス組曲』です。 この組曲は、これまでの〝深淵〟な『パルティータ』や〝優雅〟な『フランス組曲』に比べて、〝堂々〟〝貫禄〟などと形容されます。 それは特に、各組曲…

華麗なるフレンチ・スタイル。グレン・グールド×バッハ『フランス組曲 第5番・第6番』『フランス風序曲 ロ短調』

このグレン・グールドのアルバムには、前回の『フランス組曲』から残りの、第5番と第6番、そして、『フランス風序曲』という、バッハのフランス趣味、フランス様式による曲が収められています。 まずは、『フランス組曲』の中でも最も有名で、人気のある第…

愛妻アンナのために。グレン・グールド×バッハ『フランス組曲 第1番~第4番』

バッハ家のプライベートな曲 グレン・グールドで聴く、バッハの3大組曲、『パルティータ』『フランス組曲』『イギリス組曲』。 次は、『フランス組曲』です。 3大組曲のできた順番は、最初が『イギリス組曲』で、次に『フランス組曲』、最後が『パルティー…

冬こそバッハ。グレン・グールド×バッハ『パルティータ 第5番・第6番』

めっきり寒くなってきましたが、バッハには冬が似合うように思います。 やはり、厳寒の北ドイツで生まれた音楽だからでしょうか。 時には厚いコートを着て大聖堂の中で捧げる祈りのように厳粛であり、時にはクリスマスマーケットで飲むグリュー・ワインのよ…

イタリア風×フランス風=ドイツ風?グレン・グールド×バッハ『パルティータ 第3番・第4番』

前回に引き続き、グレン・グールド弾くバッハのパルティータ、今回は第3番と第4番のご紹介です。 アルバムでは4番が先になっていますが、曲番通りご紹介します。 Digital Booklet: Bach: Partitas Nos. 3 & 4, BWV 827 & 828; Toccata in E Minor, BWV 91…

風はアルプスの南から。グレン・グールド×バッハ『イタリア協奏曲』『パルティータ 第1番・第2番』

バッハで旅する、ヨーロッパの国々 これまで、バッハに対するグレン・グールドのこだわりをご紹介してきましたので、引き続き、彼の演奏によるバッハの主要な作品を、アルバムを中心に取り上げていきたいと思います。 『ゴールトベルク変奏曲』『平均律クラ…

かぼそくて、あったかくて。ピアノのご先祖、クラヴィコードの音色とは。

パリ国立高等音楽院(コンセルヴァトワール)所蔵のクラヴィコード。16世紀末の作で、1571年にスペインがオスマントルコを破った〝レパントの海戦〟が描かれている。 ピアノのルーツ、クラヴィコード バッハが家庭で楽しみ、息子たちの教育に使用した…

究極のピアノ練習曲。グレン・グールド×バッハ『インヴェンションとシンフォニア』

あっという間の挫折、私のピアノレッスン バッハの『2声のインヴェンションと3声のシンフォニア』は、難しいバッハの曲の中でも比較的初心者向けということで、ピアノを習っている人が必ず挑戦する曲です。 私は小学生のとき、自分は手先が不器用なのは知…

彩りと、癒しと、憩いの音楽。グレン・グールド×バッハ『平均律クラヴィーア曲集 第2巻』(3)

バッハの『平均律クラヴィーア曲集 第2巻』のご紹介、最終回です。 全24曲中、今回は第17番から、最後の第24番までです。 バッハ『平均律クラヴィーア曲集 第2巻 第17番~第24番』 The Well-Tempered Clavier, Book 2 no.17-24 BWV886-893 演奏…