孤独のクラシック ~私のおすすめ~

クラシックおすすめ曲のご紹介と、歴史探訪のブログです。クラシックに興味はあるけど、どの曲を聴いたらいいのか分からない、という方のお役に立ちたいです。(下のメニューは横にスライドしてください)

征服者との禁断の恋のゆくえ。ピサロとコルテス、そしてマリンチェ。ラモー:オペラ=バレ『優雅なインドの国々』③ 第2アントレ「ペルーのインカ人」~ベルばら音楽(31)

征服者たちに蹂躙されたインカ帝国 オムニバス形式の4つの幕(アントレ)から成る、ラモーのオペラ=バレ『優雅なインドの国々 』。 トルコをあとにしたキューピッドたちが、次に降り立ったのは、大西洋をわたり、さらに太平洋に面した南米ペルーでした。 …

恋の難破船、心の中に吹きすさぶ嵐。ラモー:オペラ=バレ『優雅なインドの国々』② 第1アントレ「寛大なトルコ人」~ベルばら音楽(30)

キューピッド、トルコに降り立つ オムニバス形式の4つの幕(アントレ)から成る、ラモーのオペラ=バレ『優雅なインドの国々 』。 戦火に包まれたヨーロッパから、愛を求めて世界に飛び出したキューピッドたちが、最初にたどりついたのはトルコでした。 こ…

キューピッドたちよ、愛を求めて異国へ飛んでいけ!ラモー:オペラ=バレ『優雅なインドの国々』①「プロローグ」~ベルばら音楽(29)

ネクタル(神酒)を持つ青春と若さの女神ヘベ フランスならではの『オペラ=バレ』 ジャン=フィリップ・ラモー(1682-1764)は、1735年に処女作『イポリートとアリシー』を上演した後、次々とオペラを生み出していきます。 しかし、こだわり抜いた『イポリ…

革命的オペラが拓いた新しい時代。ラモー:オペラ『イポリートとアリシー』⑦「第5幕(最終幕)」~ベルばら音楽(28)

パイドラ(フェードル)とテセウス(テゼー) テセウスの悔恨 ジャン=フィリップ・ラモー(1682-1764)のオペラ、『イポリートとアリシー』。 今回は最終幕となる、第5幕です。 舞台は、第4幕と同じ、海辺に面したアルテミス神殿のある森です。 絶望した王…

人間の愚かさか、運命の理不尽さか。古典悲劇の真髄。ラモー:オペラ『イポリートとアリシー』⑥「第4幕」~ベルばら音楽(27)

ヒッポリュトスの死 自らさすらいの旅に出る王子 ジャン=フィリップ・ラモー(1682-1764)のオペラ、『イポリートとアリシー』。 今回は第4幕です。 舞台は、海辺に面したアルテミス神殿のある森。 月と狩の女神アルテミス(ディアーヌ、ダイアナ)の居場所…

恋する相手から、おぞましいと言われたら。ラモー:オペラ『イポリートとアリシー』⑤「第3幕」~ベルばら音楽(26)

パイドラ(フェードル)を拒絶するヒッポリュトス(イポリート) 道ならぬ恋に苦しむ王妃の歌 ジャン=フィリップ・ラモー(1682-1764)のオペラ、『イポリートとアリシー』。 今回は第3幕です。 舞台は、海に面したテセウス(テゼー)の城。 王妃パイドラ(…

歌唱不可能!?恐ろしい運命の女神の三重唱とテセウスの地獄下り。ラモー:オペラ『イポリートとアリシー』④「第2幕」~ベルばら音楽(25)

運命の3女神 テセウスの地獄下り ジャン=フィリップ・ラモー(1682-1764)のオペラ、『イポリートとアリシー』。 今回は第2幕です。 第1幕の最後で、忠臣アルカスが絶望の体で王妃パイドラに『テセウス(テゼー)王が地獄に下りて行ってしまいましたぁ!!…

許された恋と、許されざる恋と。ラモー:オペラ『イポリートとアリシー』③「第1幕」~ベルばら音楽(24)

カバネル『フェードル(パエドラ)』(1880年) 許されざる恋の物語 ジャン=フィリップ・ラモー(1682-1764)のオペラ、『イポリートとアリシー』。 今回は第1幕です。 幕が開くと、そこはアルテミス(ディアーヌ)神殿。 祭壇の前に、ヒロインのアリシーが…

迷宮ラビリンス、怪物ミノタウロス、アリアドネの糸…英雄テセウスとその息子の物語。ラモー:オペラ『イポリートとアリシー』②「プロローグ」~ベルばら音楽(23)

ルーベンス『ヒッポリュトスの死』 人間くさい、ギリシャの神々たち ジャン=フィリップ・ラモー(1682-1764)のオペラ、『イポリートとアリシー』。 今回は序幕の『プロローグ』です。 リュリ以来のフランス・オペラでは、本編の物語の前に、プロローグが置…

オペラで音楽の数学的法則を解き明かす!50歳からの挑戦。ラモー:オペラ『イポリートとアリシー』①「序曲」~ベルばら音楽(22)

ルネ・デカルト(1596-1650) 哲学から始まった科学 フランスを代表するオペラ作曲家、ジャン=フィリップ・ラモー(1682-1764)ですが、最初のオペラを書いたのはなんと50歳のときでした。 それまでの作曲といえば、これまで取り上げたクラヴサン曲と、いく…

題名の意味はあなた自身が自由にお考えください。ラモー『新クラヴサン組曲集 第2番(第5組曲)』〝めんどり〟〝未開人〟~ベルばら音楽(21)

ジャン=フィリップ・ラモー リアルであって、リアルでない曲たち ラモーの『新クラヴサン組曲集』クラヴサン組曲の最後、今回は第2番(第5組曲)を聴きます。 第1組曲より、さらに標題のついた曲が増え、舞曲はついにメヌエット1曲だけになってしまいました…

フランス音楽の最も美しい1ページ。ラモー『新クラヴサン組曲集 第1番(第4組曲)』〝サラバンド〟〝ガヴォットと変奏〟~ベルばら音楽(20)

ジャン=シメオン・シャルダン『音楽のアトリビュート』 新しく斬新な試み ジャン=フィリップ・ラモー(1683-1764)のクラヴサン曲のシリーズ、今回は第4組曲です。 パリ生活が軌道に乗りつつあった1728年に出版された『新クラヴサン組曲集』のふたつの組…

鍵盤の上に描かれたひとつ目巨人とは。ラモー『クラヴサン曲集第2巻』〝タンブラン〟〝ソローニュの愚か者〟〝キュクロプス〟~ベルばら音楽(19)

オディロン・ルドン『キュクロプス』(1914年) あふれるエスプリ さらに、ジャン=フィリップ・ラモー(1683-1764)のクラヴサン曲を聴いていきます。 今回は、パリに出てきて翌年、1724年に満を持して出版したクラヴサン曲集第2巻から、名曲を抜粋します。…

フランスバロック最大にして最高の作曲家、ラモーとは。ラモー『クラヴサン曲集第1巻』〝プレリュード〟~ベルばら音楽(18)

ルイ15世 最愛王、ルイ15世の時代はじまる 時計の針を進めまして、ルイ15世(在位1715-1774)の時代に入ります。 その治世は、ルイ14世の74年には及びませんが、58年の長きにわたりました。 ルイ15世は、偉大な曽祖父のような力量は無く、政治は放縦、文化・…

聴衆という暴君誕生。今に続くコンサートの元祖「コンセール・スピリチュエル」とは。ドラランド『レジナ・チェリ』、コレッリ『クリスマス・コンチェルト』~ベルばら音楽(17)

パリ・テュイルリー宮殿(1850年の絵)※1871年にパリ・コミューンで焼失 巨星墜つ 1715年9月1日、フランス絶対王政の黄金時代を築いたルイ14世が薨去しました。 貴族たちを、王権に反抗しかねない「領主」から「廷臣」にして骨抜きにし、中央集権を実現しま…

音楽用語がイタリア語になったわけ。クープラン『リュリ賛』~ベルばら音楽(16)

エリュシオンの野(ドラクロワ) 音楽用語がイタリア語になったわけ、それは3つのウェーブ 前回、クープランが偉大なるイタリア音楽の巨匠、コレッリを讃えて作曲した『コレッリ賛』を取り上げましたが、そこにはフランス人のイタリア文化に対する、コンプ…

フランス音楽とイタリア音楽、どっちが優れている?果てしない論争のはじまり。クープラン『コレッリ賛』~ベルばら音楽(15)

アポロンとミューズ フランス音楽 vs イタリア音楽 ルイ14世の時代には、音楽界で絶大な権力を握ったリュリが〝フランス音楽〟を確立しました。 それは、フランスこそ偉大にして最高の国!という太陽王の統治理念そのものの音楽であり、その時代には他の国の…

仮面に隠された貴婦人の心のうち。クープラン『クラヴサン曲集』〝フランスのフォリア、あるいはドミノ〟~ベルばら音楽(14)

ヴァトー『ピエロ(ジル)』 新年はフランス風序曲から あけましておめでとうございます。今年も当ブログをよろしくお願いいたします! さて、昨年からヴェルサイユを中心としたフランスの古典音楽を聴いていますが、大クープランのクラヴサン(チェンバロ)…

恋愛成就!恋人岬の鐘の音。クープラン『クラヴサン曲集』〝シテール島の鐘〟~ベルばら音楽(13)

ヴァトー『愛の賛歌』 芸術の表すものとは? クリスマスも終わり、ふたたびフランソワ・クープラン(1668-1733)の珠玉のクラヴサン(チェンバロ)曲に戻ります。 250曲あまりを全て取り上げるわけにはいかないので、人気曲、あるいは私の気に入った曲を挙げ…

クリスマス・イブのための音楽、フランスのノエル。シャルパンティエ『真夜中のミサ』~ベルばら音楽(12)

マルク=アントワーヌ・シャルパンティエ(1643-1704) パリの市井で活躍したシャルパンティエ 今夜はクリスマス・イブです。フランスのバロック音楽を聴いてきましたが、まさにピッタリの曲があります。 それは、『テ・デウム』の話で取り上げた、マルク=…

フランス・ブルボン王朝歴代のプロフィールと音楽。クープラン『摂政、あるいはミネルヴァ』~ベルばら音楽(11)

ルーベンス『マリー・ド・メディシスの生涯/摂政マリーの至福』 ブルボン朝の華麗なる王朝絵巻 ヴェルサイユ宮殿を主な舞台としたフランスの古典音楽(バロック音楽)を聴いていますが、ここで、近世のフランスを支配した「ブルボン王朝」の代々の王様のプ…

ハーディ・ガーディ(ヴィエル)の楽しくて、やがて悲しき音色。クープラン『偉大なる古き吟遊詩人組合の年代記』~ベルばら音楽(10)

ラ・トゥール『ヴィエル弾き』 音楽によるあてこすり! フランス古典音楽の華というべき、大クープラン(1668-1733)のクラヴサン(チェンバロ)曲の3回目は『偉大なる古き吟遊詩人組合の年代記』と題された曲です。 クラヴサン曲集第2巻・第11オルドルの…

オリーブオイル?木槌?戦争?音楽の謎解き。クープラン『クラヴサン曲集第3巻・第18オルドル』〝修道女モニク〟〝ティク=トク=ショク〟~ベルばら音楽(9)

中世のオリーブ搾り オリーブオイルを搾る音? フランソワ・クープラン(1668-1733)の、標題のついた愛らしいクラヴサン(チェンバロ)曲を聴いていますが、2回目は第18オルドル(組曲)です。 このオルドルには、『修道女モニク』と『ティク=トク=ショ…

どこまでも優雅な、音楽で描いたフランス絵画。クープラン『クラヴサン曲集第2巻・第6オルドル』〝神秘的な障壁〟~ベルばら音楽(8)

フランソワ・クープラン(1668-1733) 貴族のサロンに響いたクープランの音楽 フランソワ・クープラン(1668-1733)は王家の子女たちの音楽教育にも携わりましたが、その中心となった楽器はクラヴサンでした。 フランス語の〝クラヴサン〟は、イタリア語でい…

音楽でめぐる、ヨーロッパ4ヵ国周遊の旅。クープラン『諸国の人々』~ベルばら音楽(7)

フランソワ・クープラン(1668-1733) フランスのバッハ、クープラン一族 太陽王ルイ14世に仕えた音楽家たち〝ヴェルサイユ楽派〟の音楽を聴いてきましたが、中でも際立つ巨匠がフランソワ・クープラン(1668-1733)です。 クープラン一族は、ドイツのバッハ…

戦慄の珍曲!音楽で描かれた麻酔なしの手術。マラン・マレ『膀胱結石手術図』~ベルばら音楽(6)

当時の手術(盲腸) フランスのエスプリ 〝いちばん人間の声に近い楽器〟といわれたヴィオール(ヴィオラ・ダ・ガンバ)の深い音色を活かした名曲を数々作曲したマラン・マレ(1656-1728)ですが、落ち着いた深遠な曲ばかりというわけではなく、むしろかなり…

ヴィオールの奏でる奥深い世界と、師弟の愛と確執。マラン・マレ『異国趣味の組曲』~ベルばら音楽(5)

マラン・マレ(1656-1728) グラン・シエクル(偉大なる世紀) ルイ14世時代の重要な作曲家をさらに取り上げます。前回の派手な曲とは対極にある音楽ですが。 それは、マラン・マレ(1656-1728)。 当時は、音楽界に君臨したリュリがライバルの作曲家を干し…

戦勝記念のド派手な賛歌。リュリ、シャルパンティエ、ド・ラランド、ヘンデル、ハイドンの『テ・デウム』~ベルばら音楽(4)

アントワーヌ・コワズヴォ作『リュリ像』 放蕩の権力者、リュリの最後 リュリ(1632-1687)は、ルイ14世の恩寵を一身に受け、フランスの音楽総監督として君臨しました。 王はリュリを数少ない親友と思っており、側近として貴族待遇にしていました。 リュリは…

太陽王を悩ませた大物大臣と、太陽神のわがままな息子の末路。リュリ:抒情悲劇『ファエトン(パエトン)』~ベルばら音楽(3)

ルーベンス『パエトンの墜落』 〝いびつな真珠〟の意味とは 芸術史上、特定の時代の、特徴あるスタイル(様式)には、名前がついていますが、〝バロック〟もそのひとつです。 建築でいえば、ヴェルサイユ宮殿がバロック様式の見本とされています。 バロック…

太陽王ルイ14世と女たち。リュリ『魔法の島の歓楽』『ヴェルサイユの国王陛下のディヴェルティスマン』~ベルばら音楽(2)

ルイ13世と王妃アンヌ・ドートリッシュに囲まれた幼少のルイ14世(背後に宰相リシュリュー枢機卿) 太陽王の出生の秘密 ルイ14世(1638-1715)は1638年9月5日に、ルイ13世(1601-1643)と王妃アンヌ・ドートリッシュ(1601-1666)の王子として生まれました。…