孤独のクラシック ~私のおすすめ~

クラシックおすすめ曲のご紹介と、歴史探訪のブログです。クラシックに興味はあるけど、どの曲を聴いたらいいのか分からない、という方のお役に立ちたいです。(下のメニューは横にスライドしてください)

往時のバッハ親子共演もかくや!鈴木雅明・優人父子のチェンバロ協奏曲(バッハ・コレギウム・ジャパン)。バッハ『2台のチェンバロのための協奏曲 ハ長調 BWV1061』

自慢の息子たちとの共演 ライプツィヒの大学生による音楽団体、コレギウム・ムジークムでの演奏のために、バッハが旧作や他社の作品を編曲した一連のチェンバロ・コンチェルトを聴いていますが、今回は『2台のチェンバロのための協奏曲 ハ長調 BWV1061』で…

コーヒーハウスでの偉大なる実験。バッハ『2台のチェンバロのための協奏曲 ハ短調 BWV1060』

新しい響きを求めて 前回までバッハの管弦楽組曲(組曲)を聴いてきましたが、それはいずれもライプツィヒの大学生による音楽団体、コレギウム・ムジークムでの演奏のために作曲されたものでした。 新しく書き下ろされたという説もありますが、音楽好きの主…

文豪ゲーテがみた、古き良き時代の輝き。バッハ『管弦楽組曲(序曲) 第4番 ニ長調 BWV1069』~ドイツ人の作ったフランス風序曲⑪

ゲーテ(1749-1832) ゲーテの脳裏に浮かんだもの バッハの管弦楽組曲(組曲)、今回は最後の曲、第4番二長調です。 冒頭の序曲は、19世紀のバッハ復活に尽くしていたメンデルスゾーンが、老文豪ゲーテにピアノで聴かせたところ、『この威風堂々たる華やかな…

イケメン・ヴァイオリニストがアレンジした『G線上のアリア』。バッハ『管弦楽組曲(序曲) 第3番 ニ長調 BWV1068』~ドイツ人の作ったフランス風序曲⑩

G線上のアリアの原曲 バッハの管弦楽組曲(組曲)、今回は第3番二長調です。 第2楽章のエールが、後世の編曲で『G線上のアリア』として独立して演奏され、バッハはもとより、クラシック音楽の代表曲のひとつとなっています。 しっとりと愛を語るかのごとく甘…

フルートに彩られた、魅惑のポロネーズ。バッハ『管弦楽組曲(序曲) 第2番 ロ短調 BWV1067』~ドイツ人の作ったフランス風序曲⑨

おしゃれなフルートに彩られた人気曲 バッハの管弦楽組曲(組曲)、今回は第2番ロ短調です。 モーツァルトのト短調、ベートーヴェンのハ短調と並んで、バッハに宿命的な調、ロ短調ということもあり、バッハの序曲の中では一番ポピュラーで、人気があります。…

ドイツの市民たちが楽しんだ、フランスの宮廷音楽。バッハ『管弦楽組曲(序曲) 第1番 ハ長調 BWV1066』~ドイツ人の作ったフランス風序曲⑧

バッハが『コレギウム・ムジクム』のコンサートを開いた、ライプツィヒのツィンマーマン・コーヒーハウス バッハという大海に注いだフランス音楽 ドイツ人の作ったフランス風序曲を、ヘンデル、テレマンと聴いてきましたが、最後は大バッハ、すなわちヨハン…

音楽の最高のフルコース。テレマン『ターフェルムジーク(食卓の音楽)第3集』~ドイツ人の作ったフランス風序曲⑦

ゲオルク・フィリップ・テレマン(1681-1767) ヨーロッパ諸国の料理が並んだ、豪華な食卓 テレマンの代表作『ターフェルムジーク(食卓の音楽)』を聴いてきましたが、今回が最後の第3集です。 3つの曲集それぞれに、フランス風序曲(管弦楽組曲)、四重奏…

他人の作品を流用する正当性とは。テレマン『ターフェルムジーク(食卓の音楽)第2集』~ドイツ人の作ったフランス風序曲⑥

ヘンデルはパクリの常習犯? ゲオルク・フィリップ・テレマン(1681-1767)の代表作、『ターフェルムジーク(食卓の音楽)』の第2集(Production プロデュクシオン Ⅱ)です。 この曲集の出版にあたり、購入予約者をテレマンが募ったところ、ヨーロッパ各地か…

天才作曲家の天才商法。テレマン『ターフェルムジーク(食卓の音楽)第1集』~ドイツ人の作ったフランス風序曲⑤

ルイ15世がヴェルサイユ宮殿のダイニングルームに飾るために描かせた絵(ド・トロワ『牡蠣の食卓』1735年) 宴に欠かせないBGM、食卓の音楽 生涯で4000曲を作曲したといわれているゲオルク・フィリップ・テレマン(1681-1767)ですが、その代表作といえる曲…

4000曲を作曲した、ギネス記録の作曲家。テレマン『水上の音楽〝ハンブルクの潮の満ち引き〟』~ドイツ人の作ったフランス風序曲④

ゲオルク・フィリップ・テレマン(1681-1767) ギネス記録を持つ作曲家、テレマン ドイツの作曲家が作ったフランス風序曲を聴いていますが、今回はヘンデルに続いて2人目、ゲオルク・フィリップ・テレマン(1681-1767)です。 このブログでは初登場となりま…

【感想つき】調布国際音楽祭2019、バッハ・コレギウム・ジャパン〝協奏曲の夕べ〟に行ってきました。ヘンデル『水上の音楽 第2・第3組曲』~ドイツ人の作ったフランス風序曲③

ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル(1685-1759) 調布国際音楽祭2019、バッハ・コレギウム・ジャパン〝協奏曲の夕べ〟の感想 前回に続き、ヘンデルの有名な『水上の音楽 Water Music』の、第2組曲、第3組曲を聴きますが、その前に、きょう行ってきたコンサー…

王家のドロドロから生まれた、この上なくキラキラした音楽。ヘンデル『水上の音楽 第1組曲』~ドイツ人の作ったフランス風序曲②

英国王の舟遊びのBGM 前回の『王宮の花火の音楽』と並んで、ヘンデルの管弦楽組曲として有名な『水上の音楽 Water Music』を聴きます。 この2曲はCDではよくカップリングされ、ヘンデルの代表作として親しまれています。 結婚式や卒業式などでよく使われ…

残念な結果に終わった、国王主催の花火大会。ヘンデル『王宮の花火の音楽』~ドイツ人の作ったフランス風序曲①

アーヘンの和約を記念する花火大会(1749年) ヨーロッパ中の王侯がマネをしたフランスの宮廷文化 これまで〝ベルばら音楽〟として、リュリからラモーに至るフレンチ・バロック(フランス古典音楽)を聴いてきました。 太陽王ルイ14世が確立したフランスの絶…

26歳の作曲家が死の床で聖母に捧げた〝白鳥の歌〟ペルゴレージ『スターバト・マーテル』

マンテーニャ『磔刑図』(1459年) 十字架にかけられた我が子を見つめる母 ペルゴレージ(1710-1736)は、インテルメッツォ『奥様女中』で一世を風靡しましたが、その名を不朽のものにしたのは、その若すぎる死の間際に書いた宗教音楽『スターバト・マーテル…

男を結婚に追い込む女の策略とは。ペルゴレージ:インテルメッツォ『奥様女中』第2幕

メイドに迫られたご主人様の運命やいかに 歴史を変えたオペラ、ペルゴレージ(1710-1736)のインテルメッツォ(幕間劇)『奥様女中』の第2幕(最終幕)です。 メイドのセルピーナに結婚を迫られた、貴族の主ウベルト。 その後の展開には、歌もセリフもない…

18世紀の吉本新喜劇?26歳で世を去った天才作曲家の、歴史を変えたオペラ。ペルゴレージ:インテルメッツォ『奥様女中』第1幕

ジョヴァンニ・バッティスタ・ペルゴレージ(1710-1736) 神話とお笑いと、どっちがお好き? 前回、1750年代のフランスに巻き起こった「ブフォン論争」を取り上げました。 フランス音楽とイタリア音楽、どっちが優れているか、という大論争です。 王権神授説…

ラモー VS ルソーの仁義なき闘い「ブフォン論争」と、童謡〝むすんでひらいて〟の原曲とは。『ルソー:村の占い師』~ベルばら音楽(40)

ジャン=フィリップ・ラモー(1683-1764) 論争の世紀 数々の大作曲家を輩出した18世紀ヨーロッパは、啓蒙思想の時代と呼ばれます。 迷信や、いわれのない権威や神秘、なんでも〝神様のおぼしめし〟で片付けてしまう妄信などを排し、「理性」による思考で…

ラモーおすすめアルバムその4。サビーヌ・ドゥヴィエル『ラモー:壮大なる愛の劇場』リリック・コロラトゥーラ・ソプラノによるラモーのオペラいいとこどり。~ベルばら音楽(39)

サビーヌ・ドゥビエル ラモーの架空にして究極のオペラ ラモーおすすめアルバム、最後の4枚目は、フランスの注目のソプラノ歌手、サビーヌ・ドゥヴィエルが2013年に出したデビューアルバムです。 これまでのアルバムはラモーのオペラから、管弦楽曲を中心に…

ラモーおすすめアルバムその3。クルレンツィス『ラモー:輝きの音(オペラ=バレからの舞曲)』目に見えない、音楽の光とは。~ベルばら音楽(38)

テオドール・クルレンツィス 目の不自由な人に〝光〟を伝える方法とは ラモーおすすめアルバムの3枚目は、テオドール・クルレンツィス指揮、ムジカ・エテルナの『輝きの音(オペラ=バレからの舞曲)』です。 クルレンツィスは1972年、ギリシャ・アテネ生ま…

ラモーおすすめアルバムその2。ミンコフスキ『ラモー:サンフォニー・イマジネール(空想の管弦楽曲)』平成から令和へ、ラモーで送るひとつの時代。~ベルばら音楽(37)

ジャン=フィリップ・ラモー(1683-1764) バロックから古典派へ、時代は移る ラモーおすすめアルバムの2枚目は、ミンコフスキ指揮、レ・ミュジシャン・デュ・ルーブルの『サンフォニー・イマジネール(空想の管弦楽曲)』です。 まもなく平成が終わり、新…

ラモーおすすめアルバムその1。ルセ『ラモー:序曲集』ロマネ・コンティの物語とブルボン王朝の光と影~ベルばら音楽(36)

ロマネ・コンティの畑 『ロマネ・コンティ』とポンパドゥール夫人 18世紀のフランスの政治、文化に絶対的権力を振るったルイ15世の寵姫ポンパドゥール夫人。 極度の好色家だった王の寵愛をつなぎとめるため、肉体的魅力に乏しいといわれていた夫人は、その方…

ポンパドゥール夫人、『オペラ座の演目はラモーだけよ!』とご決定。ラモー:英雄的牧歌劇『ナイス、平和のためのオペラ』~ベルばら音楽(35)

ブーシェ『ポンパドゥール侯爵夫人』 ラモーの音楽にハマったポンパドゥール夫人 次々と名作オペラを作りだすラモーは、その度に賛否両論を巻き起こしながらも、その国民的支持は不動のものとなっていきました。 当時、政治にあまり関心のなかった国王ルイ15…

自分で作った彫刻に恋した男の物語。ラモー:アクト・ド・バレ『ピグマリオン』~ベルばら音楽(34)

ジャン=レオン・ジェローム『ピグマリオンとガラテア』 8日間で作られ、200回以上上演されたオペラ 50歳にしてオペラ・デビューを果たしたラモーは、その後も次々と作品を世に送ります。 当初は、あまりの斬新さゆえ、リュリの完成した伝統的なフランスオペ…

ネイティブ・アメリカンよ、永遠に。ラモー:オペラ=バレ『優雅なインドの国々』⑤ 第4アントレ「未開人たち」~ベルばら音楽(33)

ジョン・スミスを救うポカホンタス(想像画) 新大陸の広大なフランス領、ルイジアナ オムニバス形式の4つの幕(アントレ)から成る、ラモーのオペラ=バレ『優雅なインドの国々 』。 いよいよ最後の幕です。 このオペラは、1735年8月の初演時にはプロロー…

目と耳と、鼻で楽しむオペラ。ラモー:オペラ=バレ『優雅なインドの国々』④ 第3アントレ「花々、ペルシャの祝祭」~ベルばら音楽(32)

〝地上の楽園〟ペルシャの庭園 オムニバス形式の4つの幕(アントレ)から成る、ラモーのオペラ=バレ『優雅なインドの国々 』。 愛を求めて諸国を旅するキューピッドたち。3か国目はペルシャです。 トルコのさらに東にあるペルシャは、ヨーロッパ人のオリ…

征服者との禁断の恋のゆくえ。ピサロとコルテス、そしてマリンチェ。ラモー:オペラ=バレ『優雅なインドの国々』③ 第2アントレ「ペルーのインカ人」~ベルばら音楽(31)

征服者たちに蹂躙されたインカ帝国 オムニバス形式の4つの幕(アントレ)から成る、ラモーのオペラ=バレ『優雅なインドの国々 』。 トルコをあとにしたキューピッドたちが、次に降り立ったのは、大西洋をわたり、さらに太平洋に面した南米ペルーでした。 …

恋の難破船、心の中に吹きすさぶ嵐。ラモー:オペラ=バレ『優雅なインドの国々』② 第1アントレ「寛大なトルコ人」~ベルばら音楽(30)

キューピッド、トルコに降り立つ オムニバス形式の4つの幕(アントレ)から成る、ラモーのオペラ=バレ『優雅なインドの国々 』。 戦火に包まれたヨーロッパから、愛を求めて世界に飛び出したキューピッドたちが、最初にたどりついたのはトルコでした。 こ…

キューピッドたちよ、愛を求めて異国へ飛んでいけ!ラモー:オペラ=バレ『優雅なインドの国々』①「プロローグ」~ベルばら音楽(29)

ネクタル(神酒)を持つ青春と若さの女神ヘベ フランスならではの『オペラ=バレ』 ジャン=フィリップ・ラモー(1682-1764)は、1735年に処女作『イポリートとアリシー』を上演した後、次々とオペラを生み出していきます。 しかし、こだわり抜いた『イポリ…

革命的オペラが拓いた新しい時代。ラモー:オペラ『イポリートとアリシー』⑦「第5幕(最終幕)」~ベルばら音楽(28)

パイドラ(フェードル)とテセウス(テゼー) テセウスの悔恨 ジャン=フィリップ・ラモー(1682-1764)のオペラ、『イポリートとアリシー』。 今回は最終幕となる、第5幕です。 舞台は、第4幕と同じ、海辺に面したアルテミス神殿のある森です。 絶望した王…

人間の愚かさか、運命の理不尽さか。古典悲劇の真髄。ラモー:オペラ『イポリートとアリシー』⑥「第4幕」~ベルばら音楽(27)

ヒッポリュトスの死 自らさすらいの旅に出る王子 ジャン=フィリップ・ラモー(1682-1764)のオペラ、『イポリートとアリシー』。 今回は第4幕です。 舞台は、海辺に面したアルテミス神殿のある森。 月と狩の女神アルテミス(ディアーヌ、ダイアナ)の居場所…