ヘンデルの合奏協奏曲、これまで最初の2曲をご紹介しましたが、12曲もありますので、残りの曲はハイライトでお届けしたいと思います。
いいな、と思われる楽章がありましたら、ぜひ全曲聴いていただけたらと思います。
それぞれに個性あふれる曲たちですので。
ヘンデル:合奏協奏曲 作品6 第3番 ホ短調
Handel : Concerto Grosso op.6 no.3 in E minor, HWV321
演奏:トレヴァー・ピノック指揮イングリッシュ・コンサート
Trevor Pinnock & The English Concert
第4楽章 ポロネーズ(アンダンテ)
名前のようなポーランド風、民族風な感じはあまりせず、宮廷風な洗練の極致で、まさに天国的です。雲の上で奏でられているのは、かくやと思わせるような…。波のように寄せてくる抒情で、聴くほどに胸がいっぱいになります。
ヘンデル:合奏協奏曲 作品6 第4番 イ短調
Handel : Concerto Grosso op.6 no.4 in A minor, HWV322
第1楽章 ラルゲット・アフェトゥオーソ
メロドラマのはじまりのような、切ない楽章です。この曲では独奏はあまり目立たず、全体で、かつ控えめに、運命に翻弄されたヒロインを描いた小説のように、語ります。私のイメージは〝風立ちぬ〟です。
ヘンデル:合奏協奏曲 作品6 第5番 ニ長調
Handel : Concerto Grosso op.6 no.5 in D major, HWV323
第3楽章 プレスト
この第5番は、第1楽章、第2楽章と第6楽章が、自作の頌歌『聖セシリアの日のためのオード』序曲から引用されています。なんだ、2日間で作ったと言って、流用じゃないか、と言われますが・・・その通りです。しかし、当時はレコードもCDもありませんので、いい曲は、このように別の形で出版しなければ人々に広まらなかったのです。今の時代の常識で評価してはいけないのです。確かにヘンデルには多いも事実ですが。この曲は、わくわくするような舞曲です。
遊園地のアトラクションのように楽しい曲です。無邪気な子供の笑い声が聞こえてきそうです。
ヘンデル:合奏協奏曲 作品6 第6番 ト短調
Handel : Concerto Grosso op.6 no.6 in G minor, HWV324
第3楽章 ミュゼット(ラルゲット)
ミュゼットとは、スコットランドのバグパイプに似た、フランスの民族楽器で、農民の楽器として、王侯貴族にも親しまれました。さらには、その楽器をイメージした楽曲も、このようにミュゼットと呼ばれました。鄙びた農村の夕暮れの情景が目に浮かんだと思うと、何かを訴えるような、激しい嵐の中間部があらわれ、また再び元の平穏な世界に戻っていく・・・。コンチェルトの一楽章としての役割を超えた、不思議に長大な 曲で、このコンチェルト集でも特に有名です。
Handel : Concerto Grosso op.6 no.7 in B flat major, HWV325
フーガなのですが、同じ音を、リズムを刻んで繰り返すという、そんなのアリ??と面食らう曲です。バッハなら絶対やらないようなことを、豪快にやってのけるのがヘンデルの真骨頂です。細かいことにはこだわらない、颯爽とした魅力がたまりません。
第5楽章 ホーンパイプ
ホーンパイプは、水上の音楽でも出てきた、イギリスのフォークダンスです。農民の男女がお祭りで楽しく踊っている情景が目に浮かびます。
今回もお読みいただき、ありがとうございました。
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