イベリアの情熱と哀愁
前々回取り上げた、リコーダーに編曲されたものの原曲です。
トリオ・ソナタと違い、ヴァイオリン・ソロのための曲集で、こちらも12曲セットです。
どの曲も素晴らしいのですが、特に有名なのが、最後に置かれた『ラ・フォリア』です。
フォリアは、スペインかポルトガル起源の舞曲で、後世のフラメンコのように、エキゾチックで情熱的な曲です。
実際、「フォリア」には、狂気、あるいは常軌を逸した、という意味があります。
リズムは緩やかなのですが、これをコレッリは変奏曲に仕上げました。
最初は穏やかなのですが、変奏が重ねられると、次第にコレッリらしからぬ激しさも見せます。
イベリア半島らしい哀愁も帯びて、情熱的に展開していき、ヴァイオリニストがまるでフラメンコダンサーに見えてくるのです。
『ラ・フォリア』はコレッリだけではなく、他の人も作曲していますが、コレッリの作品が最も有名です。
ヴァイオリン・ソロ(といっても通奏低音付きなので、奏者は3人)ですので、ヴァイオリニストの個性の違いも楽しみましょう。
コレッリ『ヴァリオリンと通奏低音のためのソナタ 作品5の12〝ラ・フォリア〟』
Corelli : Violin sonata in D minor op.5 , no.12 , 〝La Folia〟
演奏:エンリコ・ガッティ
Enrico Gatti
演奏:トリオ・ソンネリエ
Trio Sonnerie
12曲セットの他の曲も素晴らしいです!
前回、前々回と2曲、リコーダーの編曲をご紹介したので割愛しましたが、ぜひ、ヴァイオリンの原曲も合わせて、聴いてみてください。
癒されること間違いなしです!
今回もお読みいただき、ありがとうございました。
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