グレン・グールドの弾く、チェンバロ×ヘンデルという超珍しい組み合わせの演奏の続きです。ヘンデルの短調も格調高く、バロックの中でも人気があります。
Handel : Suite for Harpsichord Vol.1 No.3 in D minor, HWV428
演奏:グレン・グールド(ハープシコード) Glenn Gould
第1曲 プレリュード
悲劇的な雰囲気の、緊張感あふれる前奏曲です。これも、次の曲への導入の役割の性格が強いです。
3声のフーガで、プレリュードと合わせると、ちょうどバッハの平均律と同じ形式になります。まばゆいばかりの輝かしさです。
優雅な舞曲で、ヘンデルならではの気品に満ちています。
思いのこもった、ドラマチックでさえある感動的な曲です。
第5曲 アリアと5つの変奏
バフ・ストップで始まり、和声的な枠組みを維持しながら装飾を加えていく、バッハのイギリス組曲にみられたドゥーブルのスタイルです。
第6曲 プレスト
ロンドのようなテーマが強烈な印象を与えます。コンチェルトの様式であり、ヘンデルは後に、この曲をコンチェルトに編曲しています。(コンチェルト・グロッソ作品3の6)
Handel : Suite for Harpsichord Vol.1 No.4 in E minor, HWV429
プレリュードがなく、いきなり長大なフーガで始まります。重々しくもあり、また格好良く走り去ってくような、非常にクールな曲です。
繊細で優雅な舞曲です。
しゃれた、フランス風の響きのする洗練された曲です。どこか南欧風の、エキゾチックな感じもします。
バフ・ストップでゆっくりと奏でられますが、メランコリックな嘆きが感じられる、しみじみとした曲です。
第5曲 ジーグ
フーガ風に始まり、ツンと澄ました感じで進み、サッと終わる短い終曲です。
この組曲は第8番まであるのですが、残念ながらグールドの演奏はここまでです。
他の演奏者による、全曲演奏を下記に掲げておきます。
このところ、ずっとグレン・グールドを聴いてきましたが、いったん終わりにし、次回からヘンデルを取り上げたいと思います。
今回もお読みいただき、ありがとうございました。
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