可愛らしいポジティブ・オルガンの音色が心に沁みる、ヘンデルのオルガン協奏曲。これまで3曲ご紹介してきましたが、『作品7』として出版されたコンチェルトのうち、残りの曲で、私の気に入っている楽章を中心に、my favorites的にご紹介します。(前回ご紹介した〝カッコウとナイチンゲール〟には作品番号はついていません)
ヘンデルの音楽は、屈託がなく、どこまでもおおらかで、気分が落ちているときに、必ず元気をくれます。他の作曲家の作品に時々感じる、鬱的な要素が全くないのです。逆にそれが、深みに欠ける、という批判になってくるのかもしれませんが、気にするな、くよくよしてどうする、と言われているようで、私にとってはかけがえのない人生の友なのです。
このような音楽は、ヘンデルの他ではハイドンです。
今回もお気に入りの楽章の抜粋です。
ヘンデル:オルガン協奏曲 第11番 ト長調 作品7の5
Handel : Organ Concerto no.11 in G minor, op.7 no.5 HWV310
演奏:サイモン・プレストン(オルガン)
トレヴァー・ピノック指揮イングリッシュ・コンサート
Simon Preston(Organ), Trevor Pinnock & The English Concert
第2楽章 アンダンテ・ラルゲット・エ・スタッカート
私は勝手に〝ヘンデルのウェディングマーチ〟と呼んでいます。冒頭、オルガンがリズムを刻み、オーケストラをリードします。そして、オケがリズムを刻み始めると、その上に軽やかなマーチを繰り広げます。次々と変奏的に展開するメロディは幸せに満ちていて、これから新しい人生を歩み始めるを祝福しているかのようです。以前、メンデルスゾーンとワーグナーの二つの結婚行進曲を取り上げましたが、この曲も、ぜひ結婚式で使ってはいかが、と思います。
www.classic-suganne.com
ヘンデル:オルガン協奏曲 第8番 イ長調 作品7の2
Handel : Organ Concerto no.8 in A major, op.7 no.2 HWV307
第2楽章 ア・テンポ・オルディナリオ
空に稲妻がひらめくようなイメージのフーガです。オルガンは縦横無尽に広がり、まことに宏大な世界を現出します。
楽しいマーチのリズムの軽快な曲で、オーケストラが同じフレーズを繰り返す間に、オルガンが変奏を奏でます。実にゴージャス!
ヘンデル:オルガン協奏曲 第9番 変ロ長調 作品7の3
Handel : Organ Concerto no.9 in B flat major, op.7 no.3 HWV308
さあ、始まるよー、といった感じの、ともすれば俗っぽいテーマの陽気な曲です。このおおらかさこそ、ヘンデルの真骨頂という思いです。
第3楽章 スピリトーソ
その指示通り、生命感にあふれたフーガです。元気いっぱいに楽しく展開していきます。
ヘンデル:オルガン協奏曲 第10番 ニ短調 作品7の4
Handel : Organ Concerto no.10 in D minor, op.7 no.4 HWV309
第2楽章 アレグロ・コジ・コジ
いたずらっぽい指示の楽章ですが、その通り、おどけながら軽やかに身をかわすピエロのような曲です。
ヘンデル『オルガン協奏曲 第14番 ヘ長調 HWV296』
Handel : Organ Concerto no.14 in F major, HWV296
特徴的なテーマが、オルガンとオケの掛け合いで盛り上がっていきます。オルガンの技巧的な技が聴き所です。
今回もお読みいただき、ありがとうございました。
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