孤独のクラシック ~私のおすすめ~

クラシックおすすめ曲のご紹介と、歴史探訪のブログです。クラシックに興味はあるけど、どの曲を聴いたらいいのか分からない、という方のお役に立ちたいです。(下のメニューは横にスライドしてください)

華麗なるコンチェルトの世界。モーツァルト『ピアノ協奏曲 第16番 ニ長調 K.451』

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モーツァルトの使用したワルターフォルテピアノ(複製)

モーツァルトは様々なジャンルでたくさんの曲を書いてくれましたが、その中でも、特に私の思い入れがあるのはオペラと、ピアノ・コンチェルトです。

これらは、私をずっと楽しませてくれ、つらい時には励ましてくれ、思いを共有してくれた、かけがえのない曲たちです。ずっと、私の人生の伴侶でいてくれました。

モーツァルトのピアノについてのお話になっていますので、このまま、ピアノ・コンチェルトの世界をご紹介したいと思います。

ピアノで勝負  

ウィーンで自活を始めたモーツァルトは、ピアノを武器に自分を売り出しました。

その中でも、自らがヒーローになることを狙い、最も力を入れたジャンルが、ピアノ・コンチェルトでした。

それまでこの曲種は存在しましたが、それほど重要なジャンルではありませんでした。

そのうちご紹介することになるバッハの素晴らしいチェンバロ・コンチェルトがそのハシリと言えるのですが、モーツァルトはバッハのこの曲群は知らなかったようです。

オーケストラに大いに盛り上げさせ、一番美味しいところをピアノが持っていくように作られたモーツァルトのピアノ・コンチェルトが、このジャンルをクラシックの花形にしたのです。

モーツァルトは、次々に素晴らしいコンチェルトを作曲し、もちろん自分がソリストとなって、劇場や予約演奏会でパフォーマンスを繰り広げました。

予約演奏会とは、モーツァルト自身が企画・主催し、貴族や裕福な市民に予約名簿を回覧板のように回し、入場料を取って実施したコンサートで、モーツァルトが安定した収入と人気を得るためにはとても重要な手段でした。

モーツァルトは、生涯で完成したものとしては27曲のピアノ・コンチェルトを書いていますが、通番でいくと、ウィーンに来てから書いた11番以降がこの演奏会用の作品になります。

『11番へ長調K.413(387a)』、『12番イ長調K.414(385p)』、『13番ハ長調K.415(387B)』の3曲セットが最初のデビュー作です。これらはモーツァルトのもくろみ通り、すぐウィーンで大人気を博しましたが、広く普及することも狙って、小規模のオーケストラでも演奏できるような構成になっています。

続く『14番変ホ長調K449』に至っては、オーケストラ伴奏は弦楽四重奏でも演奏可能にしてあります。

そして、人気をさらに不動にすべく書いたのが『15番変ロ長調K.450』以降の曲で、ここからは満を持して大編成のオーケストラを使用し、最大の効果を狙っています。

それだけ、集客力が上がって、大々的なコンサートをやれるようになったということでしょう。

曲のご紹介は、『16番ニ長調K.451』から始め、それ以前の曲はまたの機会に譲ります。

なぜなら、この曲は私とフォルテピアノとの出会いの曲なので、私の原体験から順にご紹介したいからです。

一押しは次の演奏です。

モーツァルト『ピアノ協奏曲第16番ニ長調K.451』

Mozart:Concerto for Piano and Orchestra no.16 in D major , K.451

演奏:ジョン・エリオット・ガーディナー(指揮)

マルコム・ビルソン(フォルテピアノ

イングリッシュ・バロック・ソロイスツ

John Eliot Gardiner , Malcolm Bilson & English Baroque Soloists

第1楽章アレグロ

本格的ピアノ・コンチェルトの幕開けにふさわしい、堂々とした開始は、ほとんどシンフォニーといっていいでしょう。トランペットとティンパニが加わっていますが、これはモーツァルトハ長調ニ長調の曲のお約束です。

冒頭の、タンタカタッタ、というリズムは、このあと19番まで共通で使われます。

そして、いよいよフォルテピアノの登場…。

この演奏の、この最初の和音こそ、私の脳髄を直撃し、フォルテピアノの魅力のとりこになった瞬間でした。

まさに、クラヴィーアのハンマーに心を打たれた思いで、そのあと、お金がたまるたびにこのシリーズのCDを買いましたが、1曲1曲、宝箱を開けるように楽しみだったのを昨日のことのように覚えています。時に1988年、大学受験に失敗して浪人中のことでした。音楽ばかり聴いていたので次の受験も危うい状況でしたが、第1志望には落ちたものの、なんとか第2志望に滑り込めたのは今思えば奇跡でした…。ちなみこの演奏は1985年の録音ですが、今聴いてもフレッシュです。 

第2楽章アンダンテ

モーツァルトのピアノ・コンチェルトの大きな魅力のひとつは、第2楽章(緩徐楽章)での管楽器の活躍です。管楽器たちはそれぞれがほとんどソロの扱いで、抒情的な歌でピアノと絡み合います。その美しさ、癒しの優しさといったら、この世のものとは思えません。 

第3楽章ロンド(アレグロ・ディ・モルト

一転、楽しいロンドです。まるで運動会のBGMのようににぎやかで、颯爽としてさわやかです。 

 

さあ、ぜひ次の宝箱も開けてみてください!

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