孤独のクラシック ~私のおすすめ~

クラシックおすすめ曲のご紹介と、歴史探訪のブログです。クラシックに興味はあるけど、どの曲を聴いたらいいのか分からない、という方のお役に立ちたいです。(下のメニューは横にスライドしてください)

ドイツバロック

17~18世紀ドイツのバロック時代の作品です。

バッハの遺骨の発掘 ~バッハが音楽に込めた死の意味~ バッハ:哀悼行事『神の時こそいと良き時』BWV106

バッハの墓(ライプツイヒ・聖ヨハネ教会内) ケチケチバッハ!? 前回は、バッハが亡きお妃の追悼式のために作曲した感動的なカンタータを取り上げました。 それは特別な作品でしたが、ライプツィヒの聖トーマス教会のカントル(音楽監督)だったバッハには…

信念を貫き、人々に慕われた悲劇のお妃さまを悼んで。バッハ:追悼頌歌『侯妃よ、さらに一条の光を』BWV198

ザクセン選帝侯妃・ポーランド王妃クリスティアーネ・エーベルハルディーネ・フォン・ブランデンブルク=バイロイト(1671-1727) 玉座を捨て、信仰を貫いた侯妃 前回、前々回と、バッハが音楽監督をしていたライプツィヒが属するザクセンの選帝侯フリードリ…

音楽に殉じた伝説のトランペッターの受難。バッハ:世俗カンタータ 『おのが幸いを讃えよ、祝福されしザクセン』BWV215

コーヒーカップを持つザクセン選帝侯兼ポーランド国王アウグスト3世(選帝侯としてはフリードリヒ・アウグスト2世)(1696-1763) 急な来客!それも王様!! 『コーヒー・カンタータ』以降、バッハの世俗カンタータを聴いています。 今回の曲は、前回取り上…

荒ぶる川たちよ、どうか穏やかであれ!バッハ:世俗カンタータ(音楽による劇)『しのび流れよ、戯れる波』BWV206

エルベ川とドレスデン 神ではなく、君主を讃える音楽 前回、バッハの『コーヒー・カンタータ』を聴きましたが、バッハはほかにも20曲ほどの世俗カンタータを作曲しています。 それらは、『コーヒー・カンタータ』のような余興や、冠婚葬祭など、様々な日常的…

バッハが作ったコーヒーのCMソング!バッハ「コーヒー・カンタータ」BWV211『おしゃべりはやめて、お静かに』

バッハが演奏したコーヒーハウス 前回は、コーヒーの起源と、ヨーロッパに入ってきたプロセスに触れ、「コーヒーハウス」が、英国では近代市民社会への扉を開き、フランスでは革命の口火を切ったさまをみました。 今回はドイツです。 北ドイツへのコーヒー輸…

巨匠の合作!バッハがアレンジしたヴィヴァルディとは。バッハ『4台のチェンバロのための協奏曲 イ短調 BWV1065 』

アントニオ・ヴィヴァルディ(1678-1741) チェンバロが4台!? バッハの複数台のチェンバロのためのコンチェルトの最後は、なんと4台のチェンバロのための曲です。 バッハの曲の中でも、ひときわ奇曲といえるでしょう。 なぜ?どうして?という疑問がいくつ…

6本の手、30本の指が織りなす、美しい音のタペストリー!バッハ『3台のチェンバロのための協奏曲 ニ短調 BWV1063 & ハ長調 BWV1064』

2人の息子と3人で演奏 前回まで、バッハの2台のチェンバロのためのコンチェルトを聴きましたが、今回はさらに1台増えて、3台のためのものです。 今残されているのは『ニ短調 BWV1063』と『ハ長調 BWV1064』の2曲です。 こちらも、2台のための作品と同様、…

往時のバッハ親子共演もかくや!鈴木雅明・優人父子のチェンバロ協奏曲(バッハ・コレギウム・ジャパン)。バッハ『2台のチェンバロのための協奏曲 ハ長調 BWV1061』

自慢の息子たちとの共演 ライプツィヒの大学生による音楽団体、コレギウム・ムジークムでの演奏のために、バッハが旧作や他者の作品を編曲した一連のチェンバロ・コンチェルトを聴いていますが、今回は『2台のチェンバロのための協奏曲 ハ長調 BWV1061』で…

コーヒーハウスでの偉大なる実験。バッハ『2台のチェンバロのための協奏曲 ハ短調 BWV1060』

新しい響きを求めて 前回までバッハの管弦楽組曲(組曲)を聴いてきましたが、それはいずれもライプツィヒの大学生による音楽団体、コレギウム・ムジークムでの演奏のために作曲されたものでした。 新しく書き下ろされたという説もありますが、音楽好きの主…

文豪ゲーテがみた、古き良き時代の輝き。バッハ『管弦楽組曲(序曲) 第4番 ニ長調 BWV1069』~ドイツ人の作ったフランス風序曲⑪

ゲーテ(1749-1832) ゲーテの脳裏に浮かんだもの バッハの管弦楽組曲(組曲)、今回は最後の曲、第4番二長調です。 冒頭の序曲は、19世紀のバッハ復活に尽くしていたメンデルスゾーンが、老文豪ゲーテにピアノで聴かせたところ、『この威風堂々たる華やかな…

イケメン・ヴァイオリニストがアレンジした『G線上のアリア』。バッハ『管弦楽組曲(序曲) 第3番 ニ長調 BWV1068』~ドイツ人の作ったフランス風序曲⑩

G線上のアリアの原曲 バッハの管弦楽組曲(組曲)、今回は第3番二長調です。 第2楽章のエールが、後世の編曲で『G線上のアリア』として独立して演奏され、バッハはもとより、クラシック音楽の代表曲のひとつとなっています。 しっとりと愛を語るかのごとく甘…

フルートに彩られた、魅惑のポロネーズ。バッハ『管弦楽組曲(序曲) 第2番 ロ短調 BWV1067』~ドイツ人の作ったフランス風序曲⑨

おしゃれなフルートに彩られた人気曲 バッハの管弦楽組曲(組曲)、今回は第2番ロ短調です。 モーツァルトのト短調、ベートーヴェンのハ短調と並んで、バッハに宿命的な調、ロ短調ということもあり、バッハの序曲の中では一番ポピュラーで、人気があります。…

ドイツの市民たちが楽しんだ、フランスの宮廷音楽。バッハ『管弦楽組曲(序曲) 第1番 ハ長調 BWV1066』~ドイツ人の作ったフランス風序曲⑧

バッハが『コレギウム・ムジクム』のコンサートを開いた、ライプツィヒのツィンマーマン・コーヒーハウス バッハという大海に注いだフランス音楽 ドイツ人の作ったフランス風序曲を、ヘンデル、テレマンと聴いてきましたが、最後は大バッハ、すなわちヨハン…

音楽の最高のフルコース。テレマン『ターフェルムジーク(食卓の音楽)第3集』~ドイツ人の作ったフランス風序曲⑦

ゲオルク・フィリップ・テレマン(1681-1767) ヨーロッパ諸国の料理が並んだ、豪華な食卓 テレマンの代表作『ターフェルムジーク(食卓の音楽)』を聴いてきましたが、今回が最後の第3集です。 3つの曲集それぞれに、フランス風序曲(管弦楽組曲)、四重奏…

他人の作品を流用する正当性とは。テレマン『ターフェルムジーク(食卓の音楽)第2集』~ドイツ人の作ったフランス風序曲⑥

ヘンデルはパクリの常習犯? ゲオルク・フィリップ・テレマン(1681-1767)の代表作、『ターフェルムジーク(食卓の音楽)』の第2集(Production プロデュクシオン Ⅱ)です。 この曲集の出版にあたり、購入予約者をテレマンが募ったところ、ヨーロッパ各地か…

天才作曲家の天才商法。テレマン『ターフェルムジーク(食卓の音楽)第1集』~ドイツ人の作ったフランス風序曲⑤

ルイ15世がヴェルサイユ宮殿のダイニングルームに飾るために描かせた絵(ド・トロワ『牡蠣の食卓』1735年) 宴に欠かせないBGM、食卓の音楽 生涯で4000曲を作曲したといわれているゲオルク・フィリップ・テレマン(1681-1767)ですが、その代表作といえる曲…

4000曲を作曲した、ギネス記録の作曲家。テレマン『水上の音楽〝ハンブルクの潮の満ち引き〟』~ドイツ人の作ったフランス風序曲④

ゲオルク・フィリップ・テレマン(1681-1767) ギネス記録を持つ作曲家、テレマン ドイツの作曲家が作ったフランス風序曲を聴いていますが、今回はヘンデルに続いて2人目、ゲオルク・フィリップ・テレマン(1681-1767)です。 このブログでは初登場となりま…

【感想つき】調布国際音楽祭2019、バッハ・コレギウム・ジャパン〝協奏曲の夕べ〟に行ってきました。ヘンデル『水上の音楽 第2・第3組曲』~ドイツ人の作ったフランス風序曲③

ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル(1685-1759) 調布国際音楽祭2019、バッハ・コレギウム・ジャパン〝協奏曲の夕べ〟の感想 前回に続き、ヘンデルの有名な『水上の音楽 Water Music』の、第2組曲、第3組曲を聴きますが、その前に、きょう行ってきたコンサー…

王家のドロドロから生まれた、この上なくキラキラした音楽。ヘンデル『水上の音楽 第1組曲』~ドイツ人の作ったフランス風序曲②

英国王の舟遊びのBGM 前回の『王宮の花火の音楽』と並んで、ヘンデルの管弦楽組曲として有名な『水上の音楽 Water Music』を聴きます。 この2曲はCDではよくカップリングされ、ヘンデルの代表作として親しまれています。 結婚式や卒業式などでよく使われ…

残念な結果に終わった、国王主催の花火大会。ヘンデル『王宮の花火の音楽』~ドイツ人の作ったフランス風序曲①

アーヘンの和約を記念する花火大会(1749年) ヨーロッパ中の王侯がマネをしたフランスの宮廷文化 これまで〝ベルばら音楽〟として、リュリからラモーに至るフレンチ・バロック(フランス古典音楽)を聴いてきました。 太陽王ルイ14世が確立したフランスの絶…

『となりのトトロ』も、もはやクラシック!? サラ・ブライトマンと、クラシカル・クロスオーバーの曲たち

クラシカル・クロスオーバーの魅力 ミュージカル『オペラ座の怪人』のクリスティーヌ役で世界的に有名になったサラ・ブライトマン(1960- )ですが、1990年にアンドリュー・ロイド・ウェバー(1948- )と離婚してからはソロ歌手としての活躍が始まりました。…

ポータブル・オルガンの可愛い響き!バッハ『ヴィオラ・ダ・ガンバとオブリガート・チェンバロのためのソナタ 第3番』

まるでコンチェルトな曲 バッハのヴィオラ・ダ・ガンバのためのソナタ、今回は第3番です。 この曲の〝訳あり〟は、これにもバッハの自筆譜はないということです。また、他の2曲と違い、コンチェルト風の3楽章構成ということも謎です。 短調ながら、名曲ブ…

上司と仲良く弾いた曲?バッハ『ヴィオラ・ダ・ガンバとオブリガート・チェンバロのためのソナタ 第2番』

弟子の改作? バッハのヴィオラ・ダ・ガンバのためのソナタ、今回は第2番です。 この曲の〝訳あり〟は、バッハの自筆譜はなく、バッハの死後3年後に書かれた筆写譜だけで伝わっていることです。 楽譜には混乱したところも見受けられ、おそらくこの曲は、オ…

3通りの演奏で愉しむ、訳ありの曲たち。バッハ『ヴィオラ・ダ・ガンバとオブリガート・チェンバロのためのソナタ 第1番』

ヴィオラ・ダ・ガンバとは バッハの室内楽曲を、まず、一台の楽器だけで歌い上げる無伴奏曲から聴いてきました。チェロ、ヴァイオリン、フルートの3つの楽器用がありました。 次に、オブリガート・クラヴィーアつき(鍵盤楽器の助奏つき)のソナタです。フ…

降り注ぐ、恵みの春雨のような音楽。バッハ『ヴァイオリンとオブリガート・チェンバロのためのソナタ 第3番・第6番』

大胆な実験と、洗練された知性の曲 バッハのオブリガート・クラヴィーアつきのヴァイオリン・ソナタを聴いていますが、最後の2曲になります。 こちらは、前回とは一転して明るく、爽やかな曲で、洗練された知性が高く香っています。 バッハは保守的なイメー…

悲しいとき、つらいときに聴く音楽。バッハ『ヴァイオリンとオブリガート・チェンバロのためのソナタ 第4番・第5番』

レンブラント『聖ペトロの否認』 愛妻への挽歌 前回に続き、バッハの6曲あるオブリガート・クラヴィーア(チェンバロ)つきのヴァイオリン・ソナタのうち、今回は第4番と第5番を聴きます。 前回少し触れましたが、バッハがこの曲を書いた頃、大きな不幸に…

うっとりするような、ふたりの協演。バッハ『ヴァイオリンとオブリガート・チェンバロのためのソナタ 第1番・第2番』

オブリガート・クラヴィーアつきのヴァイオリン・ソナタ 前回、バッハのオブリガート・クラヴィーア(チェンバロ)つきのフルート・ソナタをご紹介しましたが、同じコンセプトの曲が、ヴァイオリンとヴィオラ・ダ・ガンバにあります。 バッハは、当時一般的…

心癒される、フルートとチェンバロのマリアージュ。バッハ『フルートとオブリガート・チェンバロのためのソナタ 』

典雅なオブリガート・チェンバロ バッハの無伴奏曲を聴いてきましたが、あまりに深遠だったので、そろそろお口直しといこうと思います。 前回は無伴奏フルート・パルティータでしたが、バッハのフルート曲には、伴奏付きのものと、オブリガート・クラヴィー…

闇夜の森に響く、孤独なフラウト・トラヴェルソ。バッハ『無伴奏フルートのためのパルティータ 』

フラウト・トラヴェルソ 古いフルート、フラウト・トラヴェルソ バッハの無伴奏曲を、チェロ、ヴァイオリンの順に聴いてきましたが、最後はフルートです。 古楽器のフルートは、フラウト・トラヴェルソと呼ばれています。 それは、バロック以前にはフルート…

ロンドンの地下鉄での思い出。バッハ『無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータ 第3番』

ケーテン時代のバッハ 唯一の長調曲 無伴奏ヴァイオリン・ソナタとパルティータの最後の曲、第3番です。 唯一、長調の明るい曲ですが、深みはこれまでの短調曲に劣りません。 ソナタ第3番のフーガ、パルティータのプレリュード、ガヴォットなどが聴きどこ…